【こんな症例も治りますシリーズ 534】 犬の『 急性湿疹性皮膚炎(ホットスポット) 』も 適切な診断と治療で治します

上の写真は、犬の頬の皮膚に出来たホットスポットです。
■ この皮膚病は、急に出来ます。
■ 赤くてジュクジュクして、毛がこびりついている事も多いです。

 

 

参照サイト:

https://bit.ly/3xJbZcb

 

犬 5歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 左側の耳の下に傷が? 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 飼い主様からお話を伺ってみると、『 今朝は全く何にもなかったのに、お昼過ぎに見てみると左耳の下側が傷になっていて。 本人はそんなに痛がってる風でもないのですが、毛がカサブタみたいに固まっていて、その下は赤くただれているので、どこかにぶつけたかもしれません 』とのことから当院に来院されました。

 

 

 

■ ワンちゃんの急性湿疹性皮膚炎とは、通称ホットスポットともよばれ、急激な皮膚の激しい炎症と細菌増殖(化膿)が起こる皮膚炎です。

 

 

 

■ 特に体毛の多い(アンダーコートが密生している)犬種や、皮膚が弱い犬種に発症しやすいとされており、そのため気温による体温の上昇により蒸れてしまい、雑菌が増殖し発症につながると考えられています。

 

 

 

■ 急性湿性皮膚炎の特徴として、症状が現れるスピードが速く、例えば、朝は無症状だった皮膚が部分的に炎症を起こし、発生した膿や滲出液が被毛に付着して、炎症を起こした皮膚にマット状に張り付きます。

 

 

 

■ また、朝方かゆみや炎症が強い場合には、皮膚炎を起こした部分を舐めたり引っかいたりして、お昼ごろには、じゅくじゅくと化膿し赤くただれ、炎症が起こっている部分の毛が一気に脱毛することもよくみられます。

 

 

 

※ 雨の中で散歩させた後に、あるいはシャンプーした後に、良く乾かさなかったら、ホットスポットが出来てしまう事が昔はよくありました。

 

 

 

★ このように突然症状が現れ、進行が速いため、多くの飼い主様が驚く病気です。

 

 

 

 

■ さて、このワンちゃんの場合も、膿や滲出液により被毛が炎症部位に付着していたので、炎症を起こしている部分を清潔にするため、ハサミとバリカンで炎症部位の被毛を刈って赤くただれた皮膚を露出させ、水で表面の膿や汚れを落とした後、消毒液で洗浄しました。

 

 

 

 

■ また、皮膚検査の結果、細菌のみが認められたことから、消毒液に加え抗菌剤とアレルギー性皮膚炎の外用薬を処方しました。 軽症の場合は、この方法で良いと思います。

 

 

 

★ もっと症状が酷い時は、ホットスポットは急性アレルギー性炎症のために発症するのですから、抗炎症剤を内服した方が早く治ります。

 

 

 

 

■ 2週間後、じゅくじゅくも赤みもなくなり、元気にトリミングで来院されとき、飼い主様は『 この前はびっくりしたけど、お陰様ですっかり良くなりました 』と喜んでおられました。

 

 

 

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 泉 政明

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