【こんな症例も治りますシリーズ 533】 ネコちゃんの『 外耳炎 』も 適切な診断と治療で治します

上の写真は、猫ちゃんの耳です。
鼻の先端は、左側です。
■ 耳の穴が黒く汚れて見にくくなっています。
■ この黒さが、マラッセチア感染の特徴です。
■ 耳ダニ感染も、同様に黒くなるので、鑑別が必要です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3U8b7XV

 

ネコ スコティッシュフォールド 10歳 オス。

 

 

【 最近、耳を引っ掻くようになった 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 以前から耳の汚れが他の猫ちゃんよりも多かったのですが、痒みがひどくなり引っ掻くようになってからは、耳自体が腫れてしまいました。

 

 

■ 初診時、耳はかなり腫れていて耳の穴に綿棒が入らないほどでした。

 

 

 

 

■ 黒色の耳垢が大量に付着していましたが、炎症が強かったため簡単な清拭と抗炎症作用の薬剤の点耳をしました。

 

 

 

■ 耳垢の細菌培養検査の結果、マラセチアという酵母様真菌(かび)の感染のみでした。

 

 

 

■ マラセチアは常在菌ですが、皮脂腺などが過剰にある環境では増殖して黒っぽい耳垢が大量に出るようになります。

 

 

 

★ 耳の穴には、耳垢腺という皮脂腺がありますので、この脂を栄養源にしている酵母は増殖しやすいのです。

 

 

 

■ 抗炎症剤治療で炎症が少し治まったところで、丁寧に耳垢を除去し抗真菌薬を投与することで少しづつ良くなります。

 

 

 

★ 今回は、通常の治療方法で良くなりましたが、当院には再発防止を兼ねた治療方法もありますので、他の治療で治らなかった猫ちゃんは、セカンドオピニオンで当院に通院されて下さい。

 

 

 

★ さらに、猫ちゃんの外耳には、腫瘍が出来る事があります。 治りが悪い場合は、腫瘍の影響で悪化している事も考えられます。 セカンドオピニオン診察が出来る動物病院で診て頂くことも良いと思います。

 

 

 

◆◆◆ 健康な猫ちゃんでは、ほとんど耳垢は出ません。 汚れがひどいと思われた時は、悪化する前に診察にいらしてください。

 

 

 

■ 頭を良く振る、足で引っ掻く、匂いや耳垢が多いなど気になる事がございましたら、一度受診をお勧め致します。

 

 

 

■ また定期的な外耳道チェックをしていきましょう。

 

 

 

 

獣医師 新井澄枝

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