【こんな症例も治りますシリーズ 520】 ウサギさんの食欲不振 も 適切な診断と治療で治します

上の写真は、ウサギの腹部レントゲン写真です。
■ 右手にジャバラ状の盲腸が見えます。 中身が黒いのは、ガスが発生して動いていない盲腸ということです。
■ 真ん中に胃がありますが、胃内の左手に黒い部分が細い三日月形に拡がります。 この部分は、胃潰瘍の発症時に出る胃ガスです。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3vo4Htc

 

 

ウサギ 2歳 オス(去勢未手術)

【 食欲がなく、飲む水の量も少なく、ウンチも小さい 】ということで来院されたウサギさんです。

 

◆◆ お腹を触らせていただくと胃が膨らんでいるのが分かりました。

 

 

■ レントゲン撮影を行うと、膨らんだ胃と腸にガスが溜まっており、消化管が動いていない様子が見受けられ、『 鼓腸症 と 胃潰瘍疑い 』と診断しました。

 

■ 『 鼓腸症 』の原因として、食物繊維の不足やお口のトラブル・毛やプラスチックなどの異物を飲んでしまった、ストレスなどがあります。

 

 

■ 症状は、食欲不振から始まり、便秘や下痢、腹部膨満などが現れ、呼吸も荒くなることがあります。 そして痛みを伴うことも少なくありません。 ウサギさんは、痛みに敏感で、命に関わる可能性もあります。

■ 急に元気が無くなった時には体温も下がり、手遅れになってしまう場合もあるので注意が必要です。

 

 

 

★★★ このウサギさんの場合、消化管を動かすお薬や痛み止めのお薬を皮下点滴で2日間与えました。

 

■ すると、食欲も少しずつ回復し、ウンチも出始め、元気を取り戻しました。

 

 

★ 胃潰瘍は、簡単には治りませんので、内服薬で与え続けます。

■ 何となく食欲がない、ウンチがいつもより少ない、このような変化が見られた際は『 鼓張症 』の前兆かもしれませんので、お早めにご相談ください。

 

 

獣医師 天野 雄策

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