【こんな症例も治りますシリーズ 518】 特殊な理由で悪化した 犬の多剤耐性菌性の外耳炎 も 適切な診断と治療で治します

上の写真は、犬の外耳炎です。
■ でも、よく見て下さい。 外耳炎にしては、分泌液が多すぎませんか?
■ そうです。 この犬の外耳炎の原因は、緑膿菌という治りづらい病原菌だったのです。
■ ある抗菌剤を耳に入れたために、多剤耐性菌が増えるというデータもあります。 ご注意ください。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3POnCFx

 

犬 ミックス犬 8歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 外耳炎を繰り返す 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 以前もらった薬をつけても治らない。

 

 

■ この子は何度か外耳炎を繰り返しており、外耳洗浄や内服薬で改善を繰り返してきました。

 

 

■ 体質で耳が汚れやすいようで、治っても3ヶ月くらいで再発をしてしまいました。

 

 

■ 飼主様は、前回の薬が残っていたので使ったところ、最初はすぐに良くなったそうです。

 

 

■ しかし一週間ほどで再発。 今度は薬も効がなかったようで来院されました。

 

 

 

 

 

■■ 診察したところ耳が真っ赤に腫れてしまい、汚れも多く溜まっておりました。

 

 

 

★★★ 検査や菌の培養検査などで、耳の汚れを詳しく検査したところ、抗生物質が効かない強い菌が繁殖していることがわかりました。

 

 

 

■ 薬が効かない強い菌、厳密には『 多剤耐性菌 』です。

 

 

 

■ これは人間の医療現場でも問題になっています。

 

 

 

■■ この症例の多剤耐性菌はかなり強かったため、2日おきの頻繁な通院と『 特殊な洗浄液 』での外耳炎治療で治療を実施しました。

 

 

 

■ 幸い二週間ほどで良くなってくれましたので、通院頻度を週一回に下げ、現在も良い状態が続いています。

 

 

 

★★★ 今回の症例で多剤耐性菌が発生した理由は、以前処方した薬を自宅治療で中途半端に乱用したことにあると考えられます。 いわゆる、自己判断で行った治療の乱用の結果、悪化してしまった訳です。

 

 

■ 現在は耳の治療に便利な薬がいろいろあります。

 

 

 

■ 適切な薬をつければすぐよくなることが多いのですが、しっかりつけるべき期間が薬ごとに設定されています。

 

 

■ ご自宅に以前の薬がある場合も、なるべく獣医に相談してからお薬は使うようにしてください。

 

 

 

獣医師 落合勇吏

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