【こんな症例も治りますシリーズ 511】 ウサギさんの巨大膀胱結石も 適切な診断と治療で治します

上のレントゲン写真は、ウサギさんの腹部です。
■ 左が頭で右がシッポです。
■ 大きな白い部分は膀胱結石です。
■ 赤い楕円形の部分は、石灰化した腎臓です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/39SDs2l

 

 

ウサギ 8歳5ヶ月 メス(避妊手術済み)

 

 

【 元気がなく食欲も落ちてきた 】とのことで来院されました。

 

 

◆◆ おしっこも粘土のような濃い白い液体がポタポタ出ていました。

 

 

■ 血液検査、尿検査、レントゲン撮影をしたところ、胃内容物の鬱滞と膀胱内は全域に不透過亢進像という真っ白な陰影が確認されました。

 

 

 

■ ウサギさんによく見られる食滞という病気と、巨大な膀胱結石が疑われました。

 

 

 

■ 尿検査で特徴的な結晶は見られず、結石の種類はウサギさんの膀胱で好発する『無晶性炭酸カルシウム』と仮診断し、食滞も起こしていたので入院して点滴をしていくことになりました。

 

 

 

■ 胃や十二指腸(上部消化管)の運動を促進する薬も点滴につなぎ、翌日には食欲が出始めチモシーを食べられるようになりました。

 

 

 

■ 膀胱結石については、実は1年前から存在していて、飼主様の判断で『体調の悪化がなかったので点滴通院をやめて』しまっていました。

 

 

■ 本来なら手術で膀胱切開して取り除くのがよいですが、高齢なことと食欲が出ていることから今後は内科療法を続けていくことになりました。

 

 

 

■ 点滴は週に2日連続で絶食にて通院してもらい、特定の点滴液を皮下に注射しました。

 

 

 

★ またカルシウムの含有量の低いチモシーを選んで与えてもらい、尿路感染に対して抗生剤と結石の生成を抑えるサプリメントを処方しました。

 

 

 

★ 2週間後のレントゲン撮影で膀胱結石が小さくなってきているのを確認しました。

 

 

 

■ 排尿状態も良好でサラサラとした尿が出ています。 触診で硬かった膀胱も少しずつ柔らかくなっています。

 

 

 

■ 今後も治療を継続して、さらに良くなることを期待します。

 

 

 

獣医師 新井澄枝

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