【こんな症例も治りますシリーズ 510】 猫ちゃんの尿管閉塞も 適切な診断と治療で治します

上のイラストは、猫ちゃんの泌尿器系のイラストです。
■ 猫ちゃんの場合、この泌尿器系のどこにも結石を作ります。
■ 特に、管状の部分(腎臓と膀胱の間、膀胱と尿道孔)に結石や栓子が出来ますと、命に関わります。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3NqlrWD

 

 

猫 ミックス猫 9歳 オス(去勢手術済み)

 

【 5日前から食欲無く、今朝吐いた 】とのことで来院されました。

 

 

◆◆ 血液検査、レントゲン検査およびエコー検査をさせていただきました。

 

 

■ 血液化学検査の結果、腎機能数値が軽度上昇していました。

 

 

■ レントゲン検査では異常所見は認められませんでしたが、エコー検査で右側の腎臓に水が溜まり、両側の尿管の拡張と膀胱に結石があることが判りました。

 

 

■ 追加で尿検査を実施したところ、尿の低比重、蛋白と潜血が認められました。

 

 

 

 

■■ このネコちゃんは尿管閉塞を起こしていて、軽度の急性腎障害になっていたようでした。

 

 

★ 尿管とは尿を生成する腎臓と、尿を貯める膀胱を繋ぐ管のことで、尿管閉塞とは様々な原因で尿管が塞がってしまう状態です。

 

 

★ 最も多い原因は、結石による尿管閉塞です。

 

 

★ 尿管が詰まると尿を膀胱に送れなくなり腎臓に水が溜まり、水腎症という風船が膨れたような状態になります。このネコちゃんの右側の腎臓は水腎症になっていました。

 

 

 

 

 

★ 水腎症という状態が続くと腎臓がダメージを受け、腎機能が戻らなくなります。

 

 

★★★ 両方の腎臓の機能が急激に低下すると、場合によっては24時間以内に亡くなってしまうこともあります。 幸いこのネコちゃんは左の腎臓は機能していたので、おしっこを出すことが出来ていました。

 

 

★ しかし、左の尿管も閉塞の徴候が見られていたので注意が必要でした。

■ 尿管閉塞の治療は、内科的にお薬で尿管を広げて詰まっている物質(結石)が流れるのを待つか、外科的に摘出するかの2通りの方法があります。

 

 

■ 今回は、飼主様のご希望でお薬で尿管を広げる内科治療を試み、おしっこの出も良く、調子もよくなりました。

 

 

 

 

■ また、おしっこの結石を出来づらくする処方食も使いながら、予防の取り組みもさせていただきました。

■ ネコちゃんのオシッコの病気は、とても分かりづらい事が多いです。

 

 

■ いつもと違った様子があれば、当院までご相談ください。

 

 

 

獣医師 天野雄策

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