【こんな症例も治りますシリーズ 498】 犬のフィラリア寄生虫症 も適切な診断と治療で治します

フィラリア寄生犬の心臓の断面です。
■ 左にある赤い部分は『右心』で、その中にある多数の白い糸状物が『 犬フィラリア成虫 』です。
■ 右に向かって出ている赤い管は、肺に血液を供給する『肺動脈』です。
★ フィラリア成虫が肺動脈に寄生しすぎると、『肺への血流が阻害されて』全身の悪化が起こり、死亡の原因になります。
★ 3匹のフィラリア成虫が、右心の『三尖弁口部』に寄生して、大動脈症候群(VCS)という急性フィラリア症になったポメラニアンを、心臓外科で救った事があります。 ◆ フィラリアは、怖い病気です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3sQTnUO

 

 

犬 ミックス犬 15歳 メス(避妊手術済み)

 

今回は【 フィラリア寄生虫症の内科治療を受けたい 】 で来院されました。

 

 

◆◆ 既に実施しているフィラリア検査薬での診断はついていましたが、エコー検査で心臓の状態や大体の寄生数を把握し治療をスタートしました。

 

■ フィラリア症は、心臓にフィラリア線虫が寄生してしまう病気で、蚊が媒介します。

 

 

■ 以前は犬の死因でも上位に来るような病気でしたが、皆さんの予防のおかげで、都市部での発生はかなり抑えられています。

 

 

■ しかし、予防薬を使っていなかった場合、まだまだ感染の恐れがあります。

 

 

 

■■ この子も、フィラリア寄生虫の寄生数が多く、血液の循環が悪くなるために失神の症状が出ており、心臓にかなり負担がかかっている状態でした。

 

 

■ すでに、フィラリアの内科駆虫治療は始めていましたが、少しでも生活が楽になるようにするため、心臓薬などを併用したところ、失神することはほとんどなくなりました。

 

 

■ 喜ばしいことに今年の検査で『 フィラリア寄生も陰性 』になり、心臓の薬は継続しますが、駆虫による重大な副作用は出ずに治療を終えることが出来ました。

 

 

 

★ 2000年代に入って、フィラリア寄生の内科学的な治療方法も『 共生細菌ボルバキア殺菌療法 』の併用療法へと進化しており、安全性が増しました。

 

 

■ 同じ病気でも、少し薬を調整することで快適に過ごすことが出来ることもあるため、お困りの際はご相談ください。

 

 

獣医師 冨田浩平

 

 

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