【こんな症例も治りますシリーズ 495】 ウサギさんで見逃しがちな食欲不振 も適切な診断と治療で治します

上の写真は、ウサギさんのウンチです。
★ よく見て下さい。 上段のウンチは、毛によって繋がっています。
これは異常です。
★ 下段のウンチのように、孤立した形が正常です。

参照サイト:

https://bit.ly/3Mwdy1V

 

 

ウサギ 8か月 メス(避妊済)です。

 

 

【 元気・食欲がない 】とのことで来院されたウサギさんです。

 

 

◆◆ 『 朝からほとんどご飯を食べず、ウンチもほとんどしていない 』とのことでした。

 

 

■ お腹を触らせていただくと、胃が膨らんでいるのが分かりました。 また、具合が悪くなる前のウンチには、たくさんの毛が混じっているとのことでした。

 

 

■ レントゲン撮影を行うと、パンパンに膨らんだ胃にガスが溜まっており、消化管が動いていない様子が見受けられました。

 

 

 

■ このように、何らかの原因で消化管の動きが悪くなってしまう事を【 食滞 】といいます。  ストレス・食事内容・お口のトラブル・毛やプラスチックなどの異物を飲んでしまった等、いろいろな原因があります。 そして痛みを伴うことも少なくありません。

 

 

■ ウサギさんは痛みに敏感で、このままでは命に関わる可能性もあります。

 

 

 

 

■■ そこで消化管を動かすお薬や、痛み止めのお薬を皮下点滴で3日間与えました。 また消化管を動かすお薬と毛玉乳化剤も内服薬で処方しました。

 

 

■ すると、翌日には元気もでてきて食欲も少しずつ回復し、ウンチも出始め、胃もだいぶ小さくなりました。

 

 

■ そして1週間後にはすっかり元気を取り戻しました。

 

 

■ ウサギさんはこの時期、冬毛から夏毛へ、生え変わる換毛期に入っています。この毛を飲み込んでしまうと体内に毛が溜まって、胃の消化不良の原因になります。

 

 

★ 入念なブラッシングと、毛玉乳化剤による予防も大切です。

 

 

※ 新聞紙や、紙をかじるのが好きなウサギさん。 胃の中で『 紙粘土状態になって 』突如亡くなってしまうウサギさんがいます。 毛だけでなく、ティッシュも含めた異食もご注意ください。

 

※ ウサギさんの食滞を、突然亡くなる病気なので別名『 サイレントキラー 』といいます。

 

 

 

■ 何となく食欲がない、ウンチがいつもより少ない、このような変化が見られた際は、食滞の前兆かもしれませんので、お早めにご相談ください。

 

 

獣医師 天野 雄策

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