【こんな症例も治りますシリーズ 488】 ワンちゃんにとっては有害なニンニクの誤食 も適切な診断と治療で治します

★ このワンちゃんが、このニンニクを食べてしまったら・・・
★ きっと、亡くなってしまうでしょう。 なぜ?は本文を読まれて下さい。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3COKu1P

 

 

犬 室内ミックス犬 6歳 オス (未去勢手術)です。

 

 

【 前の晩にニンニクをひとかけら、食べてしまったかもしれない 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

 

◆◆ 来院時は元気で特に変わった症状もなく、念のため血液検査をさせていただきましたが、異常は見つかりませんでした。

 

飼い主様もホッとされていました。

 

 

 

◆◆ さて、ワンちゃんにとって『 ニンニク 』はどんな食べ物なのでしょうか?

 

■ ひとことで言うと、ニンニクはワンちゃんにとっては『 有害な食べ物 』です。

 

 

■ ワンちゃんにとって有害なにんにくの成分は 『 有機チオ硫酸化合物 』です。

 

 

ネギ・たまねぎ・にら・長ネギなどはワンちゃんに貧血を起こすことがよく知られていますが、これらに含まれる成分と同族のものになります。 『 有機チオ硫酸化合物 』は赤血球にあるヘモグロビンを酸化させ、多数の赤血球が破壊されてしまいます。 その結果、ワンちゃんの体内で赤血球が溶けてしまい、溶血性貧血という病気になってしまいます。

 

 

 

■ 貧血以外の症状として、元気消失、食欲不振、嘔吐・下痢、貧血から生じる黄疸、皮膚炎などがあげられます。 著しく貧血が進むと、意識がなくなることもあります。

 

 

■ にんにくの中毒量は、犬種や個体によって異なりますが、一度に大量に、あるいは少量であっても継続的に摂取した場合、中毒症状が出るとされています。  『 秋田犬や柴犬など、日本犬 』は、にんにくの感受性が高く、少量のにんにくで中毒になるという報告があるので注意してください。

 

 

 

■ 有機チオ硫酸化合物は加熱しても分解されないので、加熱調理されたニンニクでもワンちゃんに与えてはいけません。

 

 

 

■ ヒトであればニンニクに含まれるアリシンという栄養素が疲労回復に優れたビタミンB1の吸収を手助けし、滋養強壮効果が期待できます。  また、免疫力の向上や、がんの予防効果につながるといわれています。

 

 

 

■ この滋養強壮効果を期待してドッグフードや犬用のサプリメントに配合されていることがあります。 安全性に配慮して配合されていると思いますが、不安のある方は、与える前に当院の獣医師に相談する等、注意をしてください。

 

 

■ また他にも香辛料、チョコレート、ぶどう、エビ、イカ、鶏の骨など与えてはいけないものがあります。

 

 

★ ドッグフード以外のものを与えて体調不良が見られたら、すぐに連れてきてください。

 

 

 

獣医師 天野雄策

Page Top