【こんな症例も治りますシリーズ 487】 ネコちゃんの膀胱結石と繰り返す脱腸 も適切な診断と治療で治します

上のイラストは、猫の肛門部分を横切りにしたモノです。
★ 左の粘膜脱出症は通常一時的なものです。
★ 右の完全な直腸脱は、緊急の獣医師による治療を必要とします。
■ 多くの原因によって、直腸脱は起こります。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3sYa3KF

 

猫  ベンガル 3歳 オス(去勢手術済み)です。

 

 

【 お尻から腸が出ている、血尿を繰り返す 】とのことで来院されました。

 

 

◆◆ 朝起きたら腸がお尻から出ていたため、当院に来院されました。

 

 

■ 暫定的に、診察室で直腸を押し戻すと元に戻りましたが、『 今までも他院で同じような治療を何度もしていて、段々飛び出る頻度が多くなってきた 』との飼主様の申し出より、当院で手術を実施して根治的な治療を行う事になりました。

 

 

■ 直腸がお尻から飛び出ることを『 脱腸 』といいます。

※ ちなみに、鼠径部から腹腔内の腸が出てしまうことを、『 鼠径ヘルニア』といいます。

脱腸は長時間継続すると患部が充血と駆血によって腐ってしまい、全身に毒素と細菌が蔓延して重症化することがあります。

 

■ 迅速な処置が必要な状態です。

 

 

■ 脱腸は再発も多い病気です。

脱腸の原因を調べるため全身検査をしたところ膀胱結石がありました。 血尿もよくするようです。
他に脱腸の原因になりそうなものはありませんでした。

 

 

 

■ このことから原因は、『 膀胱結石の影響で尿道閉塞と膀胱炎を繰り返し、排尿のたびに力んで肛門にも圧力がかかってしまい脱腸を起こした 』と推測しました。

 

 

 

■ そのため脱腸の整復手術(肛門アプローチと大腸腹壁固定術)と、膀胱結石の摘出手術の二つの手術が必要になりました。

 

 

■ 手術は無事に終わりましたが、再発の危険があります。

数日間の入院を経て血尿もとまり、脱腸の再発もなかったので退院となりました。

 

 

 

■ 膀胱結石は、シュウ酸カリウム結石という溶解できない成分でしたので、食事療法で再発しないようにしてあげないといけません。

 

 

 

★ この子は、その後再発もなく、元気に過ごしているとのことです。

 

 

 

■ 今回は膀胱結石による尿道半閉塞と、慢性膀胱炎による血尿が、『脱腸』という思わぬ事態を引き起こしました。

 

 

 

獣医師 落合勇吏

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