【新 当院の特徴ある医療シリーズ 26】 ウサギの斜頸の 新・治療法 を紹介致します

★ ウサギさんが首を傾げている状態です。
★ これを、『斜頸』といいます。
■ ひどくなると、食欲も無くなります。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3ABtpHO

 

 

■■■ ウサギの“ 治りにくい斜頸 ”治療 ■■■

【当院の特長ある斜頸の医療は、後半にあります】

 

■ 首をかしげているように頭が斜めに傾いている状態を斜頸と言います(正確には捻転斜頸)。

 

■ 斜頸をおこす原因はさまざまですが、主に脳か耳の疾患が原因です。

 

■ つまり、

① エンセファリトゾーン(微胞子虫)という寄生虫により、脳炎をおこして中枢神経系に異常をきたす場合。

 

② パスツレラなどの細菌感染により、内耳炎となり耳の奥にある平衡感覚をつかさどる器官(前庭)に異常が起こる場合。

 

 

 

■ 症状としては、首が左右どちらかに傾いていてまっすぐに戻らない、眼振(眼球が揺れ動く)、立てなくなり横に倒れてグルグル回り続ける(ローリング)など。

 

 

■ 診断は、身体一般検査、神経学的検査、レントゲン検査やCT検査によって鼓室や前庭の状態を診る。

 

 

■ 治療は、一般的に抗生剤、ステロイド、抗エンセファリトゾーン症薬(駆虫薬)など。

 

 

 

 

◆◆◆ 症例を御紹介致しましょう ◆◆◆

 

 

■ 4歳 雌(未避妊手術)のウサギ

■ 昨日の夜、突然、左眼に眼振がみられたとのことで、びっくりして来院されました。

■ 当院で、神経学的検査、レントゲン検査を行ったところ、明らかな眼振、歩様の異常はみられないものの、軽度ですが左側に首が傾いており、また、レントゲンでは左鼓室胞に炎症像が見られました。

■ これらのことから、早期治療のため、パスツレラ感染症を疑い抗菌剤、抗炎症作用を期待してステロイド剤、そして今回はCT検査を実施していないのですが、抗エンセファリトゾーン症薬(駆虫薬)を処方して、次の日も来て頂くことにしました。

■ 次の日、診察すると早期治療が奉功したためか、左側への斜頸はほぼ改善され元の状態に戻っておりました。

 

 

■ ウサギの斜頸では、今回の様に、耳か脳か、原因がどちらなのか確定する前に、両方の治療を併用しながら治療を進めることがありますが、再発も多く、長期にわたり治療が必要となることもあります。

 

 

■ また、早期の発見・治療により、完全に元通りになる場合もありますが、症状が軽くなっても首は傾いたままの状態などの後遺症が残るケースもあります。

 

 

■ その場合、採食ができなくなることが多く、フードを口にもっていく、あるいは流動食の強制投与をするなど、根気よく看護や投薬を継続することが重要で、最終的には飼い主様の手厚い看護が『 日常生活の質的向上(QOL)や症状の回復 』に必要となります。

 

 

■ 当院では、今回の治療法に加え、さらに副作用のないドイツ自然医学療法やUPB(ウルトラフォトニックバランサー)を用いることで、飼い主様と一緒になって、症状の回復を目指しています。

 

 

■ お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

獣医師 泉 政明

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