【こんな症例も治りますシリーズ 423】 ハムスターの直腸脱(脱腸) も適切な診断と治療で治します

ハムスターの肛門から、赤いものが出ていると思います。
これが、大腸が反転して出てきた直腸脱です。
この写真の直腸は、一部に黒くなっている所があるので、危険なサインです。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3oAFyql

 

ゴールデンハムスター メス 1歳2ヶ月

【 昨夜から腸が1cmほど肛門から出ている 】とのことで来院されたハムスターです。

 

 

■ この子は来院時に腸が既に赤黒く、充血していました。 しかし、真っ黒ではありませんでした。

ここがポイントです。

 

 

■ 1日目は潤滑剤で腸を体の中に戻せたものの、2日目にすぐに再発して直腸脱になってしまいました。

もちろん、1日目の治療でも、再発予防の肛門への治療も行っていたのですが、それを上回る圧がかかってしまったようです。

 

 

 

### 重症です。

 

 

 

■ そこで、ハムスターの麻酔や手術は非常に高いリスクを伴いますが、飼い主様同意のもと開腹手術になりました。

 

■ 今回の手術は飛び出した部分の腸を元に戻し、お腹を開けて大腸をお腹の内側にある腹壁に縫い付けることを行いました。

 

 

 

### とても繊細な手術ですが、『 コツ 』を掴んで計画通りに行えば再発予防が出来ます。

 

 

■ 短い時間で厳重な麻酔管理のもと、手術は無事に終了しました。

 

■ 手術は無事に終わりましたが、首の周りにつけるエリザベスカラー(エリマキトカゲのような形)装着の生活になりました。

 

■ また、抗生剤を毎日内服しないといけませんでした。

 

 

■ しかし、飼主様の献身的な治療と食事介助などのお世話によって、なんとそのハムスターさんは元気を取り戻しました。

 

■ 手術が終わってから3ヶ月以上経っていますが、肛門からの直腸脱の再発も無く非常に元気です!

 

 

 

 

### 今回のハムスターさんは幸運なことに飛び出した腸が壊死(血が通わず細胞が死亡する事)していなかったため、開腹手術で元気を取り戻せました。

 

■ この症状は、時間が経てば経つほど飛び出した部分が腐り、細菌感染を起こして死亡率が高くなります。

大事なことは、少しでも早く動物病院に連れて行くことです。

 

 

※ お困りの際は、お問合せ下さい。

 

獣医師 落合勇吏

 

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