【こんな症例も治りますシリーズ 421】 猫の慢性副鼻腔炎(慢性鼻蓄膿症) も適切な診断と治療で治します

猫ちゃんの慢性鼻蓄膿症は、2パターンあります。
一つは、鼻汁が出っぱなしタイプ。
二つ目は、ほとんど鼻汁が出ないタイプです。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3wmNTRf

 

ネコ 5歳 オス(去勢済)

 

【 鼻汁・目ヤニが治らない 】とのことで来院されました。

 

 

■ 飼い主様からお話を伺ってみると、このネコちゃん、小さい時からいろいろ病気を持っていて、1歳になるか、ならないかぐらいの時に、クシャミ・鼻汁が気になり、近隣の動物病院に行ったところ、「ウイル性鼻炎」と診断され、インターフェロンと抗菌剤の入った点鼻薬を処方されました。

■ その後、症状がみられる度に、同じお薬をつけていたのですが、だんだんお薬も効かなくなってきたとのことで当院に来院されました。

 

 

■ 慢性的な副鼻腔炎の原因としては、鼻炎と同様にウィルスや細菌(バイキン)、真菌(カビ・病原性酵母菌)などの感染症が多く、その他にも異物や腫瘍などが考えられます。

 

 

■ 症状が軽度の場合は、抗ウィルス剤や抗生剤、抗炎症剤等の内科的治療を行ないます。 しかし蓄膿症を起こしている場合や腫瘍の場合には、外科的処置を行う必要があります。

 

 

 

■ さて、このネコちゃん、完全な身体検査、血液検査及びレントゲン検査を行い、総合的に判断した結果、「慢性副鼻腔炎」と診断されました。

 

 

■ また、鼻汁を採取し菌培養を行った結果、採取された菌に対しては、これまで使用していた抗菌剤では効かなくなっていることも分かりました。

 

 

 

### 抗菌薬は、動物にとってそこまで大きな毒性はありませんが、細菌にとっては猛毒です。そのため、細菌はあの手この手でその毒から逃げ延びようと、入ってきた毒、すなわち抗菌薬を無効にしようと試みます。 これを「細菌の薬剤耐性化」といって、薬剤が細菌に対して効かなくなってしまうことを指します。

 

 

■ では、薬剤の耐性化を防ぐためにはどうしたらよいでしょうか?

 

 

■ いろいろ方法は考えられますが、例えば5日間飲むべき抗菌薬を1日で止めてしまった、本当は1日3回飲まなければいけない抗菌薬を1回でやめてしまったなど、抗菌薬が中途半端に効いた状態になると、しっかり使っていればやっつけられていたはずの菌が生き残り(この菌が耐性を獲得する)、薬に弱い菌だけがいなくなるという状態になります。

 

 

### 薬剤の耐性化を防ぐためにはこのような環境を作らないことが重要です。 そして、もしある菌が抗菌薬に耐性化していた場合は、その菌に効く抗菌剤を選択し、しっかりと使用することが大切なのです。 

 

 

 

■ さて、今回の場合も、まずは菌培養の結果から効く抗菌剤を採用し、さらに当院で前から実施している、副作用がなく、慢性炎症に効果がある「ドイツ式自然療法」を点鼻薬として治療に用いることにしました。

 

 

■ 2週間後の再診時に、飼い主様が「あれほどしつこかった鼻づまりと目ヤニがすっかりなくなりました」とうれしそうにお話下さいました。

 

 

■ 抗菌剤と抗炎症作用が奉功したと考えられますが、それも飼い主様が毎日しっかりと点鼻していただいたおかげです。

 

 

■ これからも、飼い主様と一緒になって頑張っていけたら思います。

 

 

 

### 当院は、慢性鼻蓄膿症に対する他の方法として、ネブライザーも用いておりますが、吸入薬剤にドイツ式自然療法の抗炎症剤を加える事で、従来法に比べて大変に良い結果を得ております。

 

### 病気は、早期発見・早期治療だと思います。 慢性鼻蓄膿症も末期になると治りにくいので、お気を付け下さい。

 

 

獣医師 泉 政明

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