【こんな症例も治りますシリーズ 405】 ネコちゃんの腹部に複数存在する 腫瘍 も適切な診断と治療で治します

B細胞型リンパ腫の消化器型の発生部位は、上の図の7:胃、8:回腸、9:回盲結腸部に多く発生します。
今回のネコちゃんも、8:回腸、9:回盲結腸部に発生した腫瘤でした。

 

 

参照サイト:

https://bit.ly/30XnBHn

 

ミックス猫 9歳、オス(去勢済)です。

 

【 3週間前から食欲不振と下痢がある 】とのことで来院されました。

 

 

■ 腹部を触診してみると、大きなシコリが触れました…

 

■ 急いで全身検査を行うと、超音波検査で腸管に病変が見つかりました。

大きさを測ってみると、5センチ四方はありそうです。

 

 

■ 詳細な病変部、他の臓器の変化を捉えるために、胸部と腹部のCT検査と、針生検(シコリに針を刺して細胞を取り、その細胞を調べる検査)を行いました。

 

★ CT検査では、小腸の回腸、回盲結腸部(小腸と大腸のツナギ目で、盲腸もある部位)の2箇所に大きなシコリがあることが分かりました。 幸いにも、肺への転移像は無いようです。

 

 

★ 針生検でのシコリの細胞を確認すると… リンパ腫の細胞が多数存在していました。

 

⇒ これは、消化器型リンパ腫の可能性が強いですね。

 

 

■ リンパ腫は、血液細胞に由来する『がん』の1つで、白血球の1種であるリンパ球が『がん化』した病気です。

 

■ リンパ腫は、全身のどの場所にも病変が発生する可能性があり、多くの場合はリンパ節の腫れが起こりますが、消化管、肺、脳などのリンパ節以外の臓器にも発生することがあります。

 

■ 抗がん剤が適応になりますが、消化器型リンパ腫の場合は、腸閉塞を起こしたり、腸穿孔(腸に穴が開く事)してしまったりする可能性があるので、第一段階で開腹手術を行い、腫瘍を切除することにしました。

 

 

 

■ 開腹手術をしてみると、やはり大きな塊状病変が、幸いにも他の組織との癒着はなく、取り切ることが出来ました。

 

★★★ 当院には、【 サンダービート 】という手術を早く、手際よく終わらせる事が出来る特殊手術機器があるので、それで腸管の切除部分もとても衛生的に取り扱う事が出来ます。

 

 

■ 腫瘍の切除後は、小腸と小腸を特殊な方法で縫い合わせます。 次に、回盲結腸部は、小腸と大腸を吻合する必要があります。 この部分には、盲腸を人工的に作ってあげる別の特殊な縫合方法を用いて一手間加えました。

 

 

■■ ネコちゃんは、難しい手術をよく頑張ってくれて、2日後には、なんと自分で食事を食べだす事が出来る様になりました。

 

■ 元気に退院してくれて、ここからは第二段階の抗がん剤の化学療法を行います。 一緒に頑張っていきましょう!

 

 

※ 今回は、病理組織検査で【 B細胞型の消化器型リンパ腫 】と診断されました。

 

⇒ このタイプのリンパ腫は、抗がん剤にも効きやすく、カラダに残されたリンパ節内などの癌細胞に対しても良い反応が出やすいです。 あとは、当院が得意とするデトックス療法を実施してあげれば、未来が明るくなりそうですね。

 

 

★★★ 当院では抗がん剤だけでなく、がん(悪性腫瘍)に対して、オゾン療法や、ドイツ自然療法といった、体に負担をかけない方法でも治療をサポートする事ができます。 是非ご相談下さい。

 

 

獣医師 増田正樹

 

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