【こんな症例も治りますシリーズ 406】 皮膚の痒みと下痢が治らない ワンちゃん も適切な診断と治療で治します

良くご質問頂きます。 犬には○○を飲ませても良いのですか? 回答は・・・

 

参照サイト:

https://bit.ly/3lsx8ju

 

犬 4歳、オス(去勢済)です。

【 長期間の皮膚のかゆみ、下痢が治らない 】とのことで来院されました。

 

 

■ 飼い主様からお話を伺ってみると、昨年の12月くらいから皮膚のかゆみ(特に背中、脱毛・赤みはなし)、下痢がひどくなったことから、近院で診てもらったところ『 食物アレルギー 』と仮診断されたとの事でした。

 

ステロイド剤と療法食を処方されたけど、良くならないとのことで来院されました。

 

■ さらに詳しく伺ってみると、このワンちゃん、症状はもっと小さい時(1歳にならないくらい)からあって、だんだん酷くなってきたとのことで、『 食物アレルギー 』と言われてから色々と食事を変えているが、症状が変らないため、どの食事が良くて悪いのか、まるで雲をつかむような話(近院の先生には、原因を特定するのは無理と言われたとのこと)と困っておられました。

 

 

■ かゆみを伴う皮膚病としては、アトピー性皮膚炎、疥癬症、マラセチア症、食物アレルギー、膿皮症等が考えられます。

 

 

 

■ それぞれ鑑別診断が必要ですが、今回の『 食物アレルギー 』は特に『 アトピー性皮膚炎 』との鑑別診断が重要となります。

 

 

⇒ 例えば、かゆみ等症状の好発部位、発症年齢、通年性か季節性か、症状の原因となる抗原(タンパク)の違い等から鑑別する必要があります。

 

 

 

■ さて、このワンちゃん、当院でも完全な身体検査及び皮膚検査を行った結果、細菌性や寄生虫性皮膚炎の可能性は除外されました。

 

⇒ 残るは『 食物アレルギー 』か『 アトピー性皮膚炎 』ですが、症状の好発部位(背中)、1歳未満からの発症、そして季節に関係なく、また下痢の症状も出ていることから、当院でも『 食物性アレルギー 』と仮診断しました。

 

 

 

■ 当院では「動物さんの健やかな幸せ」をプロデュースする動物病院であることを使命として掲げています。 そして、動物さんの健康と幸せを介して一緒に暮らしている飼い主様の幸せプロデュースできたらとも考えています。

 

■ 今回の場合、まずは、かゆみを止めて、ワンちゃんのQOL(生活する上での質的向上)をあげること。 そして、原因となっている抗原(原因物質)を見つけ、それを回避することで根治療法につなげること。 それは飼い主様の悩みに対する解決法でもあります。

 

 

 

■ またまた、ここのところ私のブログで紹介している『 アレルギー 』あるあるですが、飼い主様のたっての希望もあり『 アレルギー反応試験 』を実施したところ、『 牛肉と牛乳 』に強い陽性反応がでました。そこで飼い主様にお話しを伺ったところ、【 小さい時から牛肉とミルクガムをあげていて、今回の療法食中もおやつとしてあげていた 】とのことでした。

 

 

 

■ まずは、今のステロイド剤の量では効果が出にくいことから少し量を増やして痒みを止めること。 そして、何をあげたら良いかという飼い主様の悩みに対しては『 まずはおやつの牛肉とミルクガムを止めてみること。 』を提案しました。

 

⇒ すると、予想通り2つの症状が無くなりましたので、今度はステロイド剤の減量にチャレンジするだけです。 ニコニコ状態ですね。

 

 

■ これからも、飼い主様と一緒になって【 動物さんの健やかな幸せ 】をプロデュースできたらと思います。

 

 

獣医師 泉 政明

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