【新 当院の特徴ある医療シリーズ 13】 イヌの腎臓がん も 副作用がほとんどない当院独自の治療方法で経過良好です。

通常、腎臓のエコー検査では、コーヒー豆のような形が描かれます。 この腎臓のエコー画像は、2時方向にいびつな腫瘍が見えます。

 

参照サイト:

https://00m.in/nLFdm

 

■■■ イヌの腎臓がん ■■■ 

【 後半に、当院独自の治療法を書きましたので、前半をスキップしてそちらを読まれても良いです。 】

 

 

■■ この病気は、主にレベルの高い健康診断の時に見つかる事が多い【がん】です。

血液検査だけでは、発見できません。

 

 

 

 

■ 一般的には、次のような傾向が見られます。

(出典元:The Veterinary Society of Surgical Oncology; VSSO)

 

1)主に年配のオスの中型から大型犬に見られます。

 

2)通常、片側性(片側の腎臓)で大きく、左右の腎臓が等しく影響を受けます。

 

3)病理組織学的パターンに基づいて、固形、管状、および乳頭状に分類されますが、ほとんどは混合パターンを示します。

 

 

■ 転移率などのデータは、次の通りです。

 

1)よく全身に転移しやすい病気です:

 

★ 猫の転移率60%です。

 

★ 犬の肺への転移率は54%、腹部臓器への転移率は54%、所属リンパ節への転移率は27%です。

 

★ 転移部位には、肺、肝臓、同側副腎、所属リンパ節、対側腎臓、子宮、腹膜、横隔膜、皮膚、心臓、脳、および四肢骨格と軸骨格が含まれます。

 

2)腫瘍血栓(腫瘍の一部が血管内を移動して血栓を作る事)の発生を伴う尾側大静脈および支流静脈への浸潤が報告されており、外科的治療を複雑にする可能性があります。

 

3)腫瘍随伴症候群(腫瘍が発生した際に起こる他の病気) : 赤血球増加症および好中球性白血球増加症。

 

 

■ 腎臓のがんは、主に癌腫、嚢胞腺癌、腎芽腫、移行上皮がんに分けられます。

 

■ 予後 (その病気がたどる経過と結末に関する、医学上の見通し)

 

1)腎癌の犬の平均生存期間は、8-16ヶ月です。

 

2)しかし、外科的切除手術は最大4年間の延長された生存期間をもたらしました。

 

3)腫瘍随伴性の赤血球増加症は、ヒトでは予後不良の兆候ですが、動物ではそうではありません。

 

4)動物の生存期間が短いことは、診断時の疾患の進行段階、腫瘍を完全に切除することの難しさ、および高い転移率を反映しています。

 

 

 

◆◆◆ 症例を御紹介致しましょう ◆◆◆

 

■ 5年前になりますが、9歳半のオスのイングリッシュコッカースパニエルさんが歯石除去を行うための術前検査に来院されました。

 

■ その時の腹部エコー検査で、左の腎臓に2センチ以上の大きさの【しこり】がある事が発覚しました。

 

 

■ その後、増大傾向が見られたため開腹手術を行い、腫瘍組織の病理組織検査を実施したところ、腎細胞がんと診断されました。

 

 

★ 腎細胞がんは悪性腫瘍で、半数以上で転移が見られると言われています。

 

■ 術前の尿路造影検査で、反対側の腎臓は異常が見られないため、左腎臓および近くのリンパ節(所属リンパ節)及び膀胱までの尿管の摘出手術をしました。

 

 

■ 転移を防ぐためにも、手術後は抗がん剤が適用になりますが、飼い主様が副作用に対してご不安を抱えていらっしゃいましたので、ドイツ式自然療法と抗酸化治療を組み合わせた治療を行うことになりました。

 

※ ドイツ式自然療法薬は、細胞の活性化と毒素の排出を促す効果があり、また副作用の心配はありません。

 

※ さらに免疫力をアップさせる目的で、オゾンガス療法も開始いたしました。

オゾン療法は痛みの緩和などにも効果があり、特に高齢動物さんでは食欲増進や毛艶が良くなるなど、若返りの効果も出ています。

 

■ その後、4年以上経過した今でも元気に過ごされております。

 

 

■ 上記の治療によって癌細胞が直接消失したわけではないと思われますが、体の調子を整えて免疫力をアップさせてくれて健康を維持して来れたのではないかと思います。

 

 

■■■ 癌の種類やステージにおいて、抗がん剤の効果が期待できない時、または投与できない時にも、上記の統合補完医療(代替医療)は有益な治療の一つになるのではないでしょうか?

 

獣医師 新井澄枝

 

 

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