【こんな症例も治りますシリーズ 353】 猫の口から血が・・・ も的確な診断と治療で治します。

猫ちゃんの歯茎に近いところに、虫歯みたいに穴が開いたり、脆くなって痩せてきたら、歯頚部疾患の可能性が高いです。

 

 

参照サイト:

https://bit.ly/2UbI1K9

 

 

猫 ラグドール 2歳 メス(避妊)

【 昨夜、口から出血して口を気にしている 】とのことで来院されました。

■ 口からの出血で考えられる疾患(病気)としては、①歯科疾患、②口内炎、③口腔内腫瘍が主に考えられます。

■ 診察時には出血は止まっていましたが、よく口腔内を見てみると左上顎の犬歯が途中から折れて歯の神経が見えていました。

■ 飼主様に聞いてみると、特に硬いものや、おもちゃで遊んだりはしていなかったみたいなのですが、かかりつけの病院でも小さいころからそこだけが元々細かった、と指摘されていたみたいです(先天性?)。

■ 痛みもなさそうでしたが、長時間にわたって神経が見えている場合、そこから感染してしまい歯髄炎を起こすので、根本からの抜歯が必要となります。 抜歯したところは、穴が開いているので周りの組織で覆うように被せて自然と吸収される糸で縫合しました。

 

 

※ もし、歯の歯茎に近い所が痩せてきて穴が開いて、そこが折れた場合、【ネックリージョン:歯頚部疾患】と言って、人間のような虫歯ではありません。

 

※ 猫に多いのですが、この【ネックリージョン】であれば、虫歯の時のような歯内治療という、詰め物をする治療はしてはいけません。 必ず抜歯です。

 

 

■ 2週間後の診察まで特に縫合したところを気にすることも無く、綺麗に穴も塞がっていて糸も少しずつ吸収されて(溶けて消える事)いるのを確認しました。

■ 猫で犬歯が折れるのはとても珍しいですが、出血が止まっていても早く診察に連れてきていただいたので、早期に処置をすることが出来ました。

 

 

■ 猫の口腔内は見づらく(腫瘍も喉(ノドの奥)の方に良く出来る)、判らないこともあるので、その場合、麻酔をかけてCT検査も併用する事もあります。

■ 当院ではCTがありますので、口腔内・喉を詳しく調べたい方は是非!!

 

 

獣医師 野村竜哉

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