【こんな症例も治ります シリーズ 330】 若い犬の歯の根尖膿瘍 も的確な診断と治療でコントロールします。

眼の下の黒くなっている部分が、膿の出口です。

参照サイト:

https://bit.ly/2PQFbXR

 

犬 2歳11ヵ月 メス(避妊手術済み)

 

【 目の下が腫れた 】というワンちゃんです。

 

■ 頭部レントゲンを撮影すると歯根部が腐っており、眼の下の皮膚に歯周病原因菌が繁殖してしまっている状態でした。

 

■ 状況と検査から総合的に判断した結果、【重度歯周病による根尖膿瘍】と判断しました。

 

■ まずは内科的な治療により、一度菌のコントロールを行い、菌がある程度減ったタイミングで麻酔をかけて歯石除去および抜歯を行いました。

 

■ 菌が大量にいる状態で手術に踏み切らないといけないこともありますが、その状況で手術すると、腐った歯の根っこから口腔内の菌が大量に血液中に入り込むと、敗血症という体が菌に負けてしまう事があるため、内科的治療を先行させていただきました。

 

■ 口腔内が汚いと、歯の根っこが融けていき、ぐらついた歯の根元から口腔内の菌が血液中に入り込むと、肝臓病、腎臓病、そして心臓病をも引き起こしてしまいます。

また、皮膚に痒みを抱える子が、汚れた歯で痒い部分を舐めたり噛むと、ひどい皮膚炎をおこしてしまうきっかけにもなります。

 

■ 口の中が汚れ続けてしまうと、手術では治しにくい口腔内の【がん】が出来てしまう事もあります。

 

■ お口の健康は全身の健康に繋がります。

 

■ 今回のワンちゃんは3歳未満なのにも関わらず、42本中38本もの歯を抜歯することになってしまいました。

これからは残った歯を残すために、日頃のデンタルケアの見直しをして頂いています。

 

■ 口臭、歯石、歯垢について気になることがあれば、いつでもご相談ください。

 

獣医師 新美綾乃

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