いつも動物たちのケアをして下さり、ありがとうございます。
★ 今回は、日頃、皆様が見れないところの世界をお見せしたいと思います。
その世界とは、ワンちゃんの【歯周病】です。 歯周病とは、歯の周りが炎症をもったこと、と思われている方が多いです。
⇒ 日頃の診察をしていると、誤解されている方が多いと感じます。
⇒ しかし、歯を支えているアゴ骨が溶けている状態、もう少し丁寧に説明しますと、歯周組織(歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨)が炎症を起こす病気が、【歯周病】の定義の正解です。
と言っても、イメージが描きづらいと思いますので、今日はCT画像で歯周病をお見せしたいと思います。
最初に、正常の骨のCT画像をお見せいたします。
次に、歯周病のCT画像です。
違いが分かりますか?
ちょっと、分かりにくいかもしれませんので、一部を拡大します。
そうなのです。 犬は虫歯になる事が少ないために、歯は綺麗なのですが、歯を支えている骨が溶けている事が多いのです。
■ 動物の歯周病菌の首謀者(原因の主な源)は、分かっています。
Porphyromonas gulae C 型 fimA 株という細菌なのです。 『ポルフィロモナス グラーエ Cがた フィムAかぶ』、と呼びます。
頭が痛くなっちゃいそうな名前ですね。 私達は、P. gulae fimA(ピー グラーエ フィムA)と略して呼ぶようにしております。
この細菌の線毛というものの遺伝子の分類がありまして、、、 難しくなっちゃうので止めますね。
■ ところで、歯周病は【バイオフィルム(菌膜)が原因になっている】病気なのです。
またまた、ちょっと難しいですね。 ごめんなさい。
簡単に言うと、何層もある粘液のようなネバネバや、歯石などによって保護されている微生物で構成されている塊を【バイオフィルム】だと思って下さい。
参照サイト:
実は、【上に書いたP. gulae fimA】は、空気が無くても増殖できる菌の仲間の【嫌気性菌】なので、バイオフィルムで空気を遮断されると繁殖しやすくなります。
■ では、どうやれば良いの?
今、付着している【歯石除去】をするのが一番ですが、、、
それが出来ない時は、当院独自の○○○○を使ったケアをすると、徐々に良くなります。
また、定番の【P. gulae fimAを減少させる口腔ケア製品】をお勧めしております。
★ とても重要な事なのですが、悪化していない状態なのに、抗生物質を使うのは、禁止事項だと思っています。
■ 今、これまた独自の簡単な【ケア製品】を開発中でして、近日中に発表できると思います。
お楽しみになって、今しばらく、お待ちください。
院長
高橋 俊一