【こんな症例も治ります シリーズ282】 犬の肝膿瘍も適切な診断と治療でコントロールします。

肝臓のエコー像です。 黒い丸い部分が、肝膿瘍です。

参照サイト:

http://ur0.biz/WdFM

 

犬・ミニチュアダックス 16歳5ヵ月 オス(未去勢)

 

【食欲がなく、ぐったりしている】というわんちゃんです。

 

■ 早急に検査をさせていただくと、

重度の歯周病、発熱、白血球の上昇、血小板の減少、肝酵素の上昇、腎数値の上昇が認められました。

 

■ 肝臓に大きな腫瘤(しこり)があり、腫瘤に対して細胞診(腫瘤を構成する細胞の顔を見て、腫瘤の種類を予測する検査)をさせていただいたところ、好中球が多数存在していることがわかりました。

 

■ 総合的に結果をまとめると、

歯周病細菌が血液中に侵入

➜ 細かい血管のある肝臓にとどまることで、肝臓に細菌が繁殖して大きな細菌の塊の巣を作ってしまった

➜ 体が菌と戦うことにより発熱、白血球の上昇を起こしている

➜ 細菌感染がひどく、敗血症(体が菌に負けてしまう)に陥ってしまっている

➜ 敗血症により多臓器不全を引き起こしつつあるため、腎数値の上昇を引き起こしている

 

という状況だったため、早急に入院下で肝膿瘍および敗血症の集中治療を行わせて頂きました。

敗血症は進行しすぎると手が付けられなくなってしまい、命を落とすこともあるのですが、

幸い、初期治療を行えたので治療に反応してくれ、入院数日で発熱、白血球の上昇等の症状は落ち着きました。

 

■ そして、1ヵ月後に再度肝臓の腫瘤の状態を確認するために、腹部超音波検査を行ったところ、肝臓の膿瘍はすっかり消えて、肝酵素や腎数値の改善も確認されました。

今では何もなかったように元気に過してくれていてとても嬉しいです。

 

■ 歯は万病の元。

口の中の細菌により全身性の病気につながってしまうため、歯石除去の重要性を改めて痛感した症例でした。

 

獣医師 新美綾乃

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