【 こんな症例も治ります シリーズ 248 】 犬の心臓病からおこる難治性肺水腫 も的確な診断と治療でコントロールします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬 15歳 避妊メス

 

今回は【 呼吸が苦しそうで食欲が無い 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

■ この子は心臓の病気を持っていたため、主訴をお聞きした時点で迅速に診断しなければならない病気が頭をよぎりました。

 

■ その場合は、【最悪検査中に亡くなる】こともあるため、医療酸素をかがせながら検査に移りました。

 

■ 無理のない範囲でレントゲン検査を行った結果、最初に予想していた通り【肺水腫】が起こっていることが分かりました。 これまでの病気と検査結果からみて、心臓病が原因だと判断し、すぐに心臓の負担を減らし、肺の水を抜く治療をスタートしました。

 

■ 心臓病になり全身に血液を送る力が弱くなると、その分心臓に溜まる血液の量が多くなります。 心臓の圧力が上昇することによって、肺にも血液がたまってしまいます。 そこから漏れた水分によって肺水腫が起こります。

 

■ そこで、①心臓の力を強め、 ②血管を拡張させ、 ③血液の循環量を抑える、という治療を同時に行いました。 薬の副作用で治療中に低血圧・低酸素になり倒れてしまったり、腎臓が悪くなる可能性があるため、安定するまでは入院での集中治療になります。

 

■ 今回は喜ばしいことに状態の悪化もなく、良好な状態で退院をすることが出来ました。

 

 

■ 心臓病になると運動を嫌がるようになったり、夜間や朝方に咳が多くなるなどの症状が出る事があります。

心臓病は完治させることが難しい為、症状が現れる前に早期発見をして、進行を遅らせることがとても大切になります。

 

■ そのため、症状が出る前に定期的にレントゲン、超音波(エコー)で心臓の状態を把握することをおすすめします。 そこで、当院ではお手軽に受けられる心臓病検査も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

獣医師 冨田 浩平

 

Page Top