【 こんな症例も治ります シリーズ 232 】 ワンちゃんの乳腺癌 も適切な判断で治療します。

 

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/NBDxA3

 

 

 

犬 11歳2ヶ月 メス(未避妊)

 

【 4ヵ月前にトリミングに行った時は何もなかったのに、今回トリミングでとても大きな腫瘤があると言われ、急いで病院に来た 】というワンちゃんです。

 

■ 触診してみると、ワンちゃんの右側第五乳腺近くに4cm大の大きな腫瘤がありました。

 

■ ワンちゃんの乳腺腫瘍は良性:悪性が50%:50%といわれています。

しかしこのワンちゃんの場合は、腫瘤が根を張るように身体にはびこっており、腫瘤自体が熱く、見た目も血管が豊富にできあがっており、とても悪そうな印象を受けました。

 

■ 早速細胞診検査を行いました。

細胞診とは、腫瘤に針を刺し、その中に入ってくる細胞の顔を見て、腫瘤の情報を得る検査の事です。

細胞診の結果では、『 直ちに悪性腫瘍と判断は出来ないが、底部固着があるため要注意 』とのことでした。

 

細胞診の場合、乳腺や精巣などの細胞分裂の多い場所は、本来診断しにくい部位ではあるのですが、参考の為に今回は検査を実施いたしました。

 

■ 術前に転移確認を行い、早急に手術にて片側乳腺全摘出を行いました。

また、今後の別の乳腺への再発防止のため、卵巣子宮摘出術も同時に行いました。

 

■ 摘出した腫瘤を病理組織検査に提出しました。 病理組織検査は、先の細胞診検査に比べて診断確率が高まります。

 

■ 病理組織検査の結果は、

・犬では良性の乳腺腫瘍が多いが、このワンちゃんは悪性の乳腺癌であるということ。

腫瘤は完全切除されているため、身体に残っている組織に腫瘍細胞が散らばっているということは否定的。

ということでした。

 

■ 現在は抜糸も終了し、定期的に胸部の触診を行いながら経過観察中です。

 

■ 犬の乳腺腫瘍の多くが良性と言われていますが、

・急速に大きくなっている。(元々あったが、大きくなる速度が急激に早くなった。)

・腫瘤付近が赤く腫れている。

・動物さんが痛がる、気にしている。

このような事があれば、悪性腫瘍の可能性が高いので、早めの検査・処置をしてあげましょう!

 

■ また、動物さんの高齢化に伴い、『 腫瘍 』という病気が非常に増えてきているので、乳腺以外にも、しこりを見つけた場合には、早めの来院をオススメします。

 

獣医師 新美綾乃

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