【 こんな症例も治ります シリーズ 218 】 犬の急変した重症の肺水腫 も的確な診断と治療でコントロールします。

 

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/H5ykpJ

(左の心臓で血液が逆流している状態のエコー図です。LAと書いてある右にモザイク状のカラフルなところがありますが、ここが逆流している図です。 これが原因で肺水腫になります。)

 

犬 15歳 オス

 

【 呼吸が苦しそう 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

■ 来院時、呼吸数が速く、肩で息をしているような状態でした。

 

■ また、この子は、元々僧房弁逆流という心臓の異常があり、血圧を下げるお薬や、循環を改善するお薬を飲んで治療している子でした。

 

■★ このような状態の子では、検査を慎重に進めなければなりません。 もし、心臓病の悪化により呼吸状態が悪いのであれば、レントゲンで横になるなど【少し体を動かすだけで急死】してしまう子もいるからです。

 

■ そのため、まずは酸素をかいでもらい、呼吸を安定化させながら、身体検査と最低限の超音波検査とレントゲン検査で状況を把握しました。

 

■■ この結果、この子は心臓病の悪化により【肺水腫】になっている可能性が高いことがわかりました。

 

■ 肺水腫とは、心臓病の悪化により血液の循環が悪くなることで、血管から水が肺の中に漏れ出し(血管の表面には小さな穴が開いており、高い圧力がかかると水が漏れだしてしまいます)、【 陸地にいながら溺れているような状態 】になってしまうことです。

 

■ 利尿剤や血管拡張薬など複数のお薬を使い、血圧を下げるとともに、たまったお水を抜いてあげる治療をしたところ、来院日の夕方には呼吸状態がかなり改善しました。

 

■ 最終的には、新たな血管拡張薬と利尿剤を今の治療薬に追加することで、退院することが出来ました。 長期的な利尿薬の使用は、腎臓に負担をかけるので、今は利尿剤を少しずつ減らして様子を見ているところです。

 

■ 僧房弁逆流は高齢のワンちゃんで最も多い心臓病です。 重症化すると肺水腫を起こすことがあるので、早期発見・治療が非常に重要です。

 

お家の子の心臓の状態が気になる方は、是非一度ご相談ください。

 

獣医師 齋藤隆太

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