【 こんな症例も治ります シリーズ 219 】 犬の急変した重症のお尻のトラブル も的確な診断と治療でコントロールします。

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/axc4F7

 

 

 

7歳5ヵ月の去勢済みオスのヨークシャーテリアです。

 

【 今朝からお尻が腫れている 】とのことで来院されました。

 

■ 診察してみると、肛門の左脇が赤く腫れ上がっていました。

 

■ レントゲン確認したところ、筋肉が薄くなって隙間に消化管などが入り込む会陰ヘルニアではありませんでした。

 

■ 触診とエコー検査にて肛門嚢の炎症による腫脹が強く疑われましたので、炎剤、抗生物質を処方しました。

翌日腫れている部分から血膿がみられ肛門腺化膿性破裂と診断しました。

 

■ 肛門嚢内から分泌物が上手く排出できなくなると、嚢内で細菌感染が起き肛門の脇が腫れてくることがあります。

患部を舐めるなど刺激が加わると、皮膚表面まで炎症が波及し壊死することもあります。

 

■ 肛門嚢内を洗浄し、皮膚表面の消毒、抗生物質の内服により低下していた食欲も戻りました。

現在は皮膚表面もキレイになり元気に過ごしていただいております。

 

■ 肛門嚢から肛門へつながっている導管が閉塞していたり、詰まりやすくなっているワンちゃんも多くみられます。

 

■ お尻を気にして舐めていたり、お尻をにこすり付けるようなしぐさが見られたら要注意です。

定期的な肛門腺しぼりをおすすめいたします。

 

※ 【マメ知識】ところで、肛門腺とは、スカンクの匂い袋のようなものです。 肛門の両横に存在していますが、皮膚の下に隠れて見えません。 猫でも肛門腺のトラブルは多く発生しております。

 

動物を外で飼っていた時代は、自然と興奮するときや石や木に擦り付けた時に、分泌物は出てしまっていました。

 

しかし、室内飼いになった頃から、自分で分泌物を出すことが無理になってしまったために、人の手を借りて月に1回ぐらいの割合で絞ってあげなくてはならなくなりました。

 

獣医師 新井澄枝

 

 

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