【 こんな症例が治ります シリーズ 183 】 ネコのしっぽの壊死 も 的確な治療で治します。

 

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/O11Efn

 

猫 12歳 オス(去勢手術済み) です。

 

【 10カ月ほど前から、突然しっぽが途中の部分から動かなくなり、それを気にして自分でしっぽをかじってしまい、その部分が壊死してしまったという猫ちゃん 】です。

 

■ 昨年の5月に突然しっぽの根元は持ち上げるが、先の方が持ち上げらなくなったという事で、他院さんを受診されました。 その時、レントゲン検査をされたのですが、骨折などの異常は無かったそうです。

 

■ それから半年後、しっぽの先から出血をしたという事で他院さんを再度来院されました。 肉が見えるほど傷は深く、痛々しい状態だったようです。 抗生剤の内服や、消毒・包帯処置で対応したようですが、良くならず、先端の方は次第に壊死をしてきてしまったそうです。

 

■ 今後どうしていくか悩んでいる時に、以前当院のこのブログに断尾の記事を書いていたのを飼主様が見られたそうで、来院して下さいました。

 

■ 当院でも再度レントゲンを撮らせて頂きましたが、やはり骨折などの異常は見られませんでした。 触診していくと、しっぽの半分くらい所から、全く力が入らない状態でした。

 

■ 先端10㎝程は完全に壊死していて真っ黒になっていること、力が入らない境目のところは自分で噛んだ事によって深い傷になっていることから、完治を目指すなら、断尾手術が一番良いという結論に至りました。

 

■ 自咬(自分で噛んだ事)している部分に感染症が重度に起きていたため、まず感染症のコントロールを行い、後日手術を行いました。

 

■ しっぽがこのような状態になった原因として血行障害の可能性があったので、手術中血行を慎重に確認しながら、手術を行いました。 力が入らない領域をしっかり含んだ状態で、しっぽを切除しました。 結果としては、元の長さの半分ほどになりました。

 

■ 術後は、しっかりしっぽをブンブン振ってくれています。

 

■ 切除したしっぽは、今回の原因を突き止めるために病理組織検査を行いました。 結果は、「筋肉の萎縮」というものでした。 神経障害や血行障害を疑っていたのですが、筋肉の問題でした。

 

■ 動物さんは、どこかに異常があると、そこを必死で舐めている事があります。 おそらく今回も、動かなくなったしっぽを必死で舐めたり咬んだりした結果、こういう状態になったのだと思います。

 

■ もし、同じようなことでお悩みの動物さんがいれば、お気軽にご相談ください(*’▽’)

 

獣医師 小田原 由佳

 

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