【 こんな症例が治ります シリーズ 157 】 猫の毛玉症 も的確な診断と治療でコントロールします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネコ 3歳 オス(去勢手術実施済) です。

 

【 数日前から食欲がなく嘔吐が続いている 】とのことで来院されたネコちゃんです。

 

■ お話を伺うと、数日前に嘔吐した時に吐物に毛玉が混ざっていたとのことでした。

 

■ 血液検査を始め、レントゲン・エコー検査等をさせて頂いたところ、胃腸の運動が弱くなっていて、食べたものがなかなか胃の外に出ていかない様子が見受けられました。 しかし、何かで胃の出口が完全に塞がっている様子はなさそうでした。

 

■ そこで、人でもお馴染みの【バリウム検査】を実施させて頂くことにしました。 バリウム検査では、飲んだバリウムが消化管をどのように通過していくかを確認するとともに、毛玉のような異物を押し流してくれ、消化管の粘膜をバリウムでコーティングすることで、粘膜を保護する働きがあります。

 

■ バリウムを飲ませてあげたところ、レントゲン写真で胃の中に通常では見られないようなバリウムの影が見られました。 時間をおきながら何度かレントゲンを撮って確認しましたが、翌日には胃の中が綺麗になりました。

 

■ その後、出たウンチを確認すると大量の毛玉が混ざっていました。 毛玉が流れてスッキリしたのか、その後は食欲が戻り、嘔吐もなくなりました。

 

■ この様に、数か月~数年かけて胃の中に溜まった動物の毛・人の毛・絨毯等の布製品の繊維が胃の中で固まり、食欲不振や嘔吐の原因になることがあります。 重症の場合は、全身麻酔をかけて内視鏡検査が必要になったり外科的に摘出したりしなければならないケースもあります。

 

■ 定期的なブラッシングや毛玉防止のサプリメントを使用して、毛玉症にならないようにしてあげることが大切です。

 

獣医師 齋藤隆太

 

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