【 こんな症例が治ります シリーズ 69 】 犬の膝蓋骨脱臼 も的確な治療でコントロールします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イヌ 1歳 オス(去勢手術実施済み) です。

 

 【 ボールを追いかけていたら急にキャンキャンと鳴き、左後ろ足を拳上しているというワンちゃん 】です。

 

 お家では普通に歩くこともあるけれど、時々左後ろ足を拳上しているとのことでした。 とても元気はあるのですが、地面を歩かせてみると時折、左後ろ足を地面に着かずにケンケンするような様子が認められました。

 

 そこで、身体検査を行ったところ膝の膝蓋骨(膝のお皿の骨のことです)が簡単に脱臼することがわかりました。

 

 膝蓋骨は本来大腿骨(フトモモの骨)にある溝の上に乗っていて、後ろ足の屈伸時に膝がスムーズに動くように働いています。 しかし、様々な理由(大腿骨の溝が浅い、大腿骨・下腿骨(ふくらはぎの骨)の軸が捻じれている、左右の筋肉のバランスが悪い等です)でこの膝蓋骨が脱臼しやすくなってしまう子がいます。

 

 この子も膝蓋骨が脱臼するとケンケンし、元の位置に戻ると普通に歩ける状態である事がわかりました。

 念のためレントゲン検査を行ったところ、膝以外の場所には問題はなさそうでした。

 

 そこで、消炎剤と関節を保護するサプリメントをお出し、お家で安静にしていただいたところ1週間ほどで足の調子が良くなりました。

 

 膝蓋骨の脱臼は手術をしないと完治しませんが、このように内科的にコントロールできる子もいます。 しかし、何度も脱臼を繰り返してびっこを繰り返す場合や、脱臼の程度が酷い場合は、放置しておくと膝の十字靭帯や半月板(スポーツ選手がよく怪我をするところです)にもダメージが及ぶ場合があります。 そのため、このような場合は早めに手術をしてあげるようにしましょう。

 

 当院では、重症度のグレードによって、レベルに合わせた手術を行います。

 

 最近、さらにバージョンアップした手術を行っております。 御安心下さい。

 

斎藤隆太 獣医師

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