【 こんな症例が治ります シリーズ 41 】 ウサギの不正咬合 も 的確な治療で治します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウサギ 5歳 オス(去勢手術未実施) です。

 

 【 昨日から元気と食欲が無いとの事で来院されたウサギさん 】です。

 

 お腹のレントゲンを撮って見たところ、胃の中に一昨日以前に食べたものが停滞している様子が見られました。

 

 【 食滞 】と呼ばれるこの状態は、ウサギさんで良く見られる消化器の症状ですが、何故食滞が起きているのかを突き止める必要があります。

 

 お口の中を診てみたところかなり歯並びが悪い事が分かりました。 これは【 不正咬合 】と言われる状態で、歯が偏って削れることで歯並びが悪くなっている事を指します。

 

★★ ウサギさんは、一生“歯が伸び続け”ます。 歯の根っこ【根尖部】が開口しっぱなしですので、つねに歯が伸びるのです。 食べ物を噛むことによって、伸びた歯はこすれて正常のかみ合わせを維持するのです。 野生のウサギさんは、かみ合わせが本当に綺麗です。 ★★

 

 

 この子の歯は、一部分がまるでトゲのように削れており、そのせいでお口の中の粘膜に傷が出来ていました。 どうやらこの傷のせいでお口が痛くなり、ご飯が食べられなかったようです。

 

 そこで、無麻酔で歯のとがった部分を削り、お口の中がこれ以上傷つかないようにしました。 また、痛み止めと食欲増進剤を内服薬としてお渡ししたところ、3日ほどで食欲が回復しました。

 

 話を聞くと、どうやらこの子はペレットを中心とした食生活を送っていたようです。 長い牧草をしっかりかじらないとウサギさんの歯は上手く削れません。 普段の食生活を見直して、お口の中のトラブルを起こさないようにしましょう。

 

 獣医師 齋藤 隆太 

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