【 こんな症例が治ります シリーズ37  】 肺水腫 も 的確な治療で治します。

 

 

 

 

 

 

 

 

イヌ 10歳 オス(去勢手術未実施) です。

 

 【 昨日から急に呼吸が苦しくなってしまったというワンちゃん 】です。

 

 来院時は非常に呼吸が苦しそうで、チアノーゼ(酸素が不足して舌が青く見えることです)を起こしていました。 すぐに酸素吸入して呼吸が落ち着いたところで、レントゲンを撮ると肺水腫(肺にお水が溜まる病気です)である事がわかりました。

 

加えて心臓の音を聞いてみると、通常では聞こえてこない音(私たちは心雑音と呼んでいます)が聞こえてきました。 これらのことから、心臓の病気によって血液の流れが悪くなり、肺に水が溜まってしまったというストーリーが考えられました。 症状の軽快を待って、確認のために心臓検査も行いまして、確定診断を導きました。

 

 そこで、点滴で水分補給をしながら利尿薬と循環を改善するお薬を使用して、肺の中に溜まったお水を抜く治療を重点的に行いました。 もちろん、心臓病薬を併用して治療を行いました。

 

 すると、3日ほどで呼吸状態が改善し、無事お家に帰ることができました。 今後は、また肺にお水が溜まらないようにしっかり様子を見ていく必要があると思います。

 

 人と同様、ワンちゃんネコちゃんも高齢になると心臓の病気が増えてきます。 11歳以上になったら、年に4度は心臓の精密検査をしてあげると良いですね。

 

初期の軽症の肺水腫は、大変にコントロールしやすいです。 早めにハッピーライフになりましょうね。

 

 

 獣医師 齋藤 隆太

 

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