【こんな症例も治りますシリーズ 336】 猫の重度の尿路閉塞 も 的確な診断と治療でコントロールします。

猫ちゃんがオシッコをしようとしても、出てこなくて痛がって泣き騒いでいる様子です。 可哀想ですね。。。

 

 

参照サイト:

https://bit.ly/2SZmq7M

 

 

猫 2才8ヵ月 オス(未去勢)

【 虚脱、吐き続ける、元気食欲がない 】という猫ちゃんです。

■ お話を伺うと、3日間尿が出ていない、吐くときに腹圧で陰部の方から血がポトッと落ちる、とのことで、早急に血液検査と尿路系の精査をさせていただきました。

■ 腹部触診を行ってみると、膀胱がパンパンになっており、お腹の大半が膀胱で圧迫されている状態になっていました。

■ 血餅が陰茎に詰まってしまっていたため、カテーテルという細い管で陰茎から膀胱へ生理食塩水を入れながら血餅を取り除くと、大量の血尿を噴射しました。

その後、膀胱内にカテーテルを留置して、膀胱内洗浄を行いました。

■ また、血液検査で腎数値とK(カリウム)という数値が跳ね上がっているのがわかりました。

血餅が蓋となり尿が出ない状況だったため、尿中に出るべき毒素が体の中に舞ってしまっていたのです。

■ Kは上昇すると不整脈及び心停止を起こす非常に怖いものです。

この猫ちゃんも心電図波形が乱れ、心臓に影響が出ている状況でしたので、早急にKを下げる治療を同時並行して行いました。

■ Kは治療に反応して数値が落ち着き、同時に心電図波形も正常になりました。

■ 数日間、静脈点滴を行いつつ、膀胱内にカテーテルを入れたまま膀胱洗浄を行い、膀胱内にたまった血餅を取り除きました。

★ 尿道からカテーテルを外した後におしっこを自分で出来ることを確認したうえで、退院とさせていただきました。

■ 猫ちゃんの尿路閉塞は、遅くなると急死してしまうこともある非常に危険な病気です。

特に冬場は寒いとトイレに行くのが億劫になり、トイレを我慢することで膀胱炎になる子が増える時期でもあります。

■ 【トイレでおしっこする時間が長い】【血尿】【少量で頻尿】【おしっこする時に鳴く】【おしっこが1日出ていない】【吐く】というような症状がある場合は、様子を見過ぎず、早めに来院してください。

■ 重症になる前に治療して、動物さんの体の負担を減らしてあげましょう!(^^)!

 

獣医師 新美綾乃

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