【 こんな症例が治ります シリーズ 237 】 犬の皮膚糸状菌も的確な治療でコントロールします。

犬糸状菌というカビの顕微鏡写真です

参照サイト:

https://goo.gl/edQ2WM

 

犬 15歳 メス

 

【皮膚が赤くフケっぽい】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

■ 皮膚の状態を確認させていただくと、お尻の毛が一部薄くなっており、皮膚が赤くフケが出ていました。 痒みもあり、気にして舐めていた痕もあります。

 

■ そこで、毛の検査をさせて頂くと、【 毛の構造が一部破綻しており敷石状に菌糸が増えている様子 】が見受けられました。 これらは皮膚糸状菌というカビの感染に特徴的で、感染した毛は構造が脆く(もろく)なりポキポキ折れてしまいます。

 

■ 皮膚糸状菌は、【日和見感染】という幼齢動物や免疫力が低下している子で感染することが多い疾患です。 厄介なこと人にも感染することがあります。

 

■ 診断は、感染した毛を顕微鏡で確認することでできますが、確定診断には培養検査といって、カビを人工的に発育させて何というカビの種類なのかを調べる検査が必要です。

 

■ 治療は主に、内科的に抗真菌薬(カビ用の抗生物質)を使用することで行いますが、それ以外にも外用薬の使用や、場合によっては感染した毛を剃毛することもあります。

 

■ 治療期間も長期におよぶことが多く、発見が遅れると同居している動物に感染することもあり、非常に厄介な感染症です。 皮膚に違和感を覚えたら病院で早めにチェックしましょう(*^^*)

 

■ 治りにくい【カビによる皮膚病】がありましたら、皮膚科診察に慣れている動物病院を受診されて下さい。 実は、治すにはコツがあるのです。

 

■ また、犬糸状菌症という名前が付いている病気ですが、実は同じ原因菌は【ワンちゃんよりもネコちゃんに多く皮膚病】を起こすのです。 ワンちゃんが、もし感染したら、とてもひどい皮膚病変になります。

 

■ ネコちゃんは軽い病変ですが、もう一度言いますが、【人間にもうつる皮膚病です】ので特にご注意ください。

 

獣医師 桃﨑 昂

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