皮膚科専門診察担当の桃崎です。
■ 本日は2回にわたってお話した、【オクラシチニブ】に関する意外な【副作用】に付いてお話させて頂きます。
■ その前に、皆さん【副作用】と聞くと、ついつい悪い作用をイメージしてしまいがちではないでしょうか。 本来、【副作用】というのは【本来意図している目的である主作用に対して、それ以外の作用の事】をさしています。 俗に言われている【有害な副作用】は、正確に言えば【薬物有害反応】というものです。
■ まあ、それほど大きな問題ではないのですが、今回お話しさせていただくのは【有害ではない副作用】のお話です。
■ アトピー性皮膚炎に悩まされている動物さんの多くで【毛が薄くなった】という話を耳にします。 これらの多くは【裂毛】と言って、舐めたり、搔いたりすることによって、毛がちぎれてしまい薄くなっているものです。
■ そういった何件かの症例で【オクラシチニブ】を使い始めた所、明らかに発毛を認める症例が多数出てきました。
■ 自分も最初は、この薬で痒みのコントロールが出来るようになったから、ひっかなくなり毛が生えそろったのだと考えていましたが、何例も経験しているうちに、どうしてもそれでは説明のつかない部分にも毛が生えてくることが多々ありました。
■ そんな中2017年3月の日本獣医皮膚科学会の一講演で【オクラシチニブ】が実は発毛にも関与しているといった内容の報告がありました。 まだ、はっきりと分かっていることではありませんが、これからどんどん解明されていき、脱毛で悩まれているワンちゃんの一助になればいいなあと考えています。
■ さて次回の皮膚科専門診察は、第二週の【7月13日 木曜日】に行わせて頂きます。 お陰様で、既に予約枠はいっぱいとなっておりますが、ご希望の飼主様は、当院スタッフまでご相談ください。
ファミリーアニマルホスピタル
高橋動物病院
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