皮膚科専門診察担当の桃崎です。
■ 本日は前回に続きまして、【オクラシチニブ】使用時のポイントに関してお話させて頂きます。
■ そのためには、ただの【かゆみ止め】としてではなく、どんなお薬なのかを知るという事が非常に重要です。
■ このお薬は前回述べたように、【 痒みを感じる神経をブロック 】するわけですが、すべての痒みがこの機序によって引き起こされているという訳ではありません。
■ あくまでも、アレルギーなどのリンパ球が関与する痒みを止めてくれるだけなので、その他の原因によって引き起こされる痒みに対しては効果がありません。
■ たとえば、皮膚の細菌感染である【膿皮症】がアレルギーに併発して起きている場合、オクラシチニブだけでは効果が不十分であり、誤って、【効かない】と結論付けられてしまっているケースも少なくありません。
■ また、逆にアレルギー反応の関わっている痒みは止めてしまう可能性があるため、ノミや疥癬といったアレルギーの関わった寄生虫感染による症状を隠してしまい、寄生虫をばらまいてしまう事もあります。
■ ですから、重要なことは、きちっと診断を付けて、今現在どのような病気で痒みが引き起こされているのかを明らかにしてから、治療をスタートすることです。
■ オクラシチニブは【魔法の薬】と言われるくらい非常に素晴らしい薬です。 だからこそ、その使用方法はきちっと吟味して、最大限の効果を発揮できるようにしてあげる事が大切なのです。
■ さて、次回の皮膚科専門診察は、第二週の【5月11日 木曜日】に行わせて頂きます。 現時点ではまだ、1件新患枠に余裕がございますので、ご希望の飼主様は日程をご確認の上、当院スタッフまでお問い合わせください。
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