【院長ブログ:新シリーズ】5歳から始めたい。愛犬・愛猫の『未来の健康』への備え

 

 

〜プレシニア期のサイン、いくつ当てはまりますか?〜

 

 

 

【結論】
下のチェックに1つでも当てはまったら、それは『歳のせい』ではなく、病気の初期症状かもしれません。

 

 

 

◆◆ 5〜6歳の『 プレシニア期 』は、体が最初のサインを出す時期です。

 

 

■ 病気になってから治療を追いかけるより、今から『 病気になりにくい身体 』をつくるほうが、その子の一生を大きく変えます。

 

 

 

 

◆◆ まず、チェックしてみてください(5歳以上の犬・猫)

 

 

□ この1年で体重が増えた。あるいは、少し減った

 

□ 口のにおいが気になる。歯石が目立つ

 

□ 皮膚のかゆみや外耳炎を、年に何度か繰り返している

 

□ 水を飲む量、おしっこの量が増えた気がする

 

□ 散歩の後半で歩きたがらない。段差をためらう

 

□ 寝ている時間が長くなった。遊びに誘っても乗ってこない

 

□ 体を触ると、小さなシコリのようなものがある

 

□ (猫ちゃん)吐く回数が増えた

 

□ (猫ちゃん)毛づくろいが減り、毛づやが落ちてきた

 

□ (猫ちゃん)高い所に乗らなくなった。爪とぎが減った

 

 

 

◆◆ 1つでも当てはまった方へ

 

加齢ではなく、病気の最初のサインかもしれません。

 

 

『 様子を見る 』前に、一度ご相談ください。

 

◆◆ 1つも当てはまらなかった方へ

 

いまが最高のタイミングです。

 

元気なうちの検査データこそ、10歳になったときにいちばん役に立ちます。

 

 

◆◆◆ 診察室で、いちばん多く聞く言葉

 

『もっと早く、連れてくればよかった』

 

10歳を過ぎて、シコリや体調の変化で来院されたご家族が、うつむいて言われる言葉です。

 

 

 

■ 私はいつも、こうお答えしています。

 

 

『 悪いのはご家族ではありません。 ただ、そのサインは、多くの子たちは、たぶん5歳のころから小さく出始めている、というデータがあるのです 』。

 

『 今から、この子にとって出来る限り苦しくない良い医療を、進めてまいりましょう。 ご安心ください 』と。

 

 

◆◆ 犬も猫も、5〜6歳は『プレシニア期』。

 

シニアの一歩手前で、人でいえば四十歳前後にあたります。

 

まだ走りますし、よく食べます。

 

けれど、この年代こそ、病気の初期症状がいちばん出始める時期です。

 

 

 

 

◆◆ そして初期症状は、必ずといっていいほど『歳のせい』に見えます。

 

■ だから見過ごされてしまうのです。

 

■ 上のチェックリストは、その見過ごしを防ぐためのものです。

 

 

 

◆◆ 『もぐら叩き』の毎日にしないために

 

サインが出るたびに薬で抑える。

 

治ったと思ったら、数か月後にまた出る。

 

また薬を出す──。

 

 

 

◆ 私はこれを、失礼を承知で『もぐら叩き医療』と呼んでいます。

 

出てきた『もぐら』を叩くだけでは、もぐらが出てくる『土や環境』は変わりません。

 

そして10歳を過ぎたころ、がんや腎臓病という大きな『もぐら』が顔を出したとき、叩ける体力はもうあまり残っていません。

 

 

 

◆ プレシニア期にすべきことは、『もぐら』を叩くことではなく、『土や環境』を改善することです。

 

 

 

 

◆◆ 数字をひとつだけ、お伝えします

 

 

■ アメリカの獣医学専門誌(米国獣医師会雑誌)に発表された、14年間にわたる研究です。

 

 

■ ラブラドール・レトリーバー48頭を子犬のときから生涯追いかけ、兄弟同士を2つのグループに分けました。

片方には、もう片方より25%少ない量の同じごはんを与え、やせ型を保ちました。

 

 

 

◆ 寿命の中央値

 

ふつうに食べたグループ 11.2歳

 

やせ型を保ったグループ 13.0歳

 

→  その差、約1.8年

 

 

 

 

◆◆◆ 特別な薬ではありません。

 

■ 『太らせなかった』。 それだけです。

 

■ やせ型のグループは、関節炎の治療が必要になる時期も遅くなりました。

 

■ 1.8年というのは、その子とあと2回、桜を見られるかどうか、ということです。

 

 

 

◆◆ 毎日のごはんの量という『土』を整えるだけで、これだけの差が生まれます。

 

これが、若いうちから備える意味です。

 

 

◆◆ 当院の『 三点両立医療 』 ── 備える・守る・支える

 

当院では、予防と治療を切り離さず、三つを同時に走らせています。

 

 

(1)備える ──  元気なうちに『その子の基準(標準値表)』をつくる

 

●  プレシニア期からは、年に1〜2回の健康診断(血液検査+画像検査)

 

●  必要に応じてCTで全身を確認(当院はCTセンターを併設しています)

 

 

■ 10歳のときの検査結果だけでは、『病気なのか、元々こうなのか』が分かりません。 5歳の元気なときの標準値表のデータがあれば、比べることができます。

 

 

 

(2)守る ──  病気が育ちにくい身体をつくる

 

 

●  適正体重の維持(少し細め、が正解です)

 

●  お口のケア、腸内環境と栄養バランスの調整

 

●  炎症や酸化ストレスを抑える統合医療(水素吸入療法、オゾン療法など)

 

 

 

(3)支える ──  それでも病気になったときに、最期まで

 

●  がん免疫療法や動物用ハイパーサーミアを含む治療で、生活の質(QOL)を守り抜きます

 

 

■ 『備える』だけでは、病気になったときに困ります。

 

■ 『支える』だけでは、もぐら叩きになります。

 

◆◆ 三つを、その子の年齢と状態に合わせて組み合わせる。 これが当院の医療です。

 

 

■■■ 今日から始められる5つのこと

 

1.  年に1〜2回、健康診断を受ける(5歳からは血液検査に画像検査を足します)

 

2.  月に1回、体重を量って記録する

 

3.  背中を触って、肋骨がうっすら分かる体型を保つ

 

4.  歯みがきを日課にする(毎日でなくても、続けることが大切です)

 

5.  気になったことをメモして、受診のときに見せる

 

 

 

 

◆ チェックが1つでも付いた方は、どうぞ一度ご相談ください。

 

◆ 1つも付かなかった方も、『 元気な内の健康診断 』をおすすめします。

 

 

 

 

◆◆◆ その子にとって、今日がいちばん若い日です。

 

■ 私たちが目指しているのは、ただの長生きではありません。

 

■ 最期の日まで、ごはんをおいしそうに食べて、名前を呼べば顔を上げてくれること。

 

■ その子がその子らしくいられることです。

 

 

※※※ 獣医師とご家族が一緒に、その子の一生に寄り添っていく。 

 

 

当院ではこれを『 生涯伴走型の医療 』と呼んでいます。

 

 

10歳になったとき、『 5歳の内にやっておいて良かった 』と言えるように。

 

 

プレシニア期のいまから、いやもっと前のヤング期から、一緒に始めましょう。

 

 

 

 

 

 

獣医師 高橋 俊一

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