【こんな症例も治りますシリーズ 853】『 セカンドオピニオン診療 : ずっと治らなかった子犬の下痢 ― 原因は“寄生虫”でした 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、検便で検出された『糞線虫』です。

■ 中央にある、ヒモ状の虫が『糞線虫』です。

 

 

犬 トイプードル 4ヶ月齢 オス(未去勢手術)

 

 

【 慢性的な下痢 】で来院されました。

 

 

◆◆ 飼い主様のお話では、

 

『ペットショップから迎えた時からずっと便が軟らかい』、

『病院で診てもらったけれど原因が分からない』、

『下痢止めなどを飲んでも良くならない』

とのことでした。

 

 

 

 

■■ 来院時には軟便だけでなく、

 

・ 元気の低下

・ 血便

・ 体重減少

 

も認められました。

 

 

 

■■ 子犬の下痢でまず大切なこと

 

■ 子犬の下痢では、まず見逃してはいけない病気を除外することが重要です。

 

■ 特に犬パルボウイルス感染症は、重症化すると命に関わることもあるため、優先的に検査を行います。

 

■ 今回もまず院内でパルボウイルス検査を実施しましたが、結果は陰性でした。

 

 

 

■■ 原因を探すために

 

■ パルボウイルスが否定できたため、次に便の検査を行いました。

 

■ 便を直接顕微鏡で確認したところ、糞線虫という寄生虫が見つかりました。

 

 

 

★★ 糞線虫は腸に寄生し、

 

・ 慢性的な下痢

・ 血便

・ 体重減少

・ 発育不良

 

などを引き起こすことがあります。

 

 

■ 特に若齢犬では症状が強く出ることも少なくありません。

 

■ また、この寄生虫は人に感染する可能性もあるため注意が必要です。

 

 

 

■■ 治療

 

■ 今回は糞線虫感染による下痢と判断し、駆虫薬による治療を開始しました。

 

また、ご自宅では

 

・ 便を速やかに片付ける

・ 処理時は手袋を着用する

・ 生活環境を清潔に保つ

 

などの対策もお願いしました。

 

 

 

■ 糞線虫は一度の治療で完全にいなくならないこと(駆虫薬で治療してもまだ残っている虫がいること)もあるため、定期的な便検査を行いながら経過を確認しました。

 

■ また、症状が再発した際には早めに追加の駆虫を行う方針としました。

 

 

 

■■ 経過

 

 

■ 治療開始後は徐々に便の状態が改善。

 

■ 血便も見られなくなり、元気や食欲も回復していきました。

 

■ その後も定期的に便検査を行いながら管理を続け、現在では良好な便の状態を維持できています。

 

 

 

◆◆ この症例から分かること

 

 

■ 子犬の下痢というと、

「お腹が弱い子なのかな」

「フードが合わないのかな」

 

と思われることもあります。

 

 

 

■ もちろんそういったケースもありますが、今回のように寄生虫感染が原因になっていることもあります。

 

 

■ 特に、

・ 迎えた頃から下痢が続いている

・ 治療してもなかなか改善しない

・ 血便や体重減少がある

といった場合には、便検査を含めた詳しい検査が重要になります。

 

 

 

◆◆ まとめ

 

 

・ 子犬の慢性下痢では、寄生虫感染も重要な原因の一つ

・ まずはパルボウイルスなど重篤な感染症を除外する

・ 糞線虫は『 人に感染する可能性 』もある

・ 一度の駆虫で終わらず継続的な管理(検便など)が必要なことも多い

・ 便検査が診断の大きな手がかりになる

 

 

■ 「ずっと下痢だから体質かな」と思っていた症状でも、原因が見つかれば改善できることがあります。

 

 

■ なかなか治らない下痢や繰り返す軟便でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

 

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