【こんな症例も治りますシリーズ 791】 『 高齢猫の腎臓が腫れた 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、この猫ちゃんの腎臓断面のエコー検査図です。

■ 左は、来院時の腎臓です。 腎臓が腫大し、内部の境界が不明瞭になっています。 また、周囲に液体が溜まっている像が見られました。

■ 右は、抗がん剤治療開始から1週間後です。 腎臓の形が整い、正常な状態に近づいています。

 

 

腎臓が腫れていた13歳の猫ちゃん ―治療で元気を取り戻しました―

 

 

猫 ミックス猫 13歳 メス(避妊手術済)

 

 

 

【 普段はとても元気な子ですが、数日前から嘔吐を繰り返し、食欲も落ちてしまった 】とのことでご来院されました。

 

 

 

◆◆ 検査で分かったこと

 

 

■ 血液検査では大きな異常はありませんでしたが、腹部のエコー検査で腎臓が大きく腫れており、内部の構造もぼやけて見えました。

 

 

■ 腎臓の炎症や腫瘍など、いくつかの病気が疑われました。

 

 

 

 

◆◆ 診断と治療

 

 

■ 腎臓の細胞検査(針を使って細胞を採取する検査)を行ったところ、腎臓に「リンパ腫」という種類の悪性腫瘍があることが分かりました。

 

 

■ すぐに抗がん剤による治療を始めたところ、わずか1週間でエコーの所見が大きく改善しました。

 

 

 

 

◆◆ その後の経過

 

 

■ 治療を始めてからは嘔吐も止まり、食欲も戻って、表情も明るくなりました。

 

 

■ リンパ腫は進行する病気ですが、早期に発見して治療を始めることで、このように元気を取り戻すケースも少なくありません。

 

 

 

 

◆◆ 飼い主さんへのメッセージ

 

 

■ 高齢の猫ちゃんでは、ちょっとした元気のなさや嘔吐が、腎臓などの臓器の病気のサインになっていることがあります。

 

 

■ 『年のせいかな?』と思っても、早めの検査で大きな病気を見つけられることもあります。

 

 

■ 気になる症状が続くときは、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

 

 

◆◆ まとめ

 

 

■ 今回は、抗がん剤治療によって腎臓のリンパ腫が大きく改善した症例でした。

 

 

■ 早期の検査と治療が、その子の命と元気を守ることにつながります。

 

 

■ これからも、一匹一匹の子が穏やかに過ごせるようサポートしていきます。

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

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