【こんな症例も治りますシリーズ 745】『 セカンドオピニオン診療: 猫の胆管肝炎 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫の黄疸の時に診られる外耳介

■ ここまでの黄色は、黄疸が進んでいるので、かなり猫ちゃんにとってツラいです。

 

参照サイト:

https://00m.in/zpgGg

 

猫 日本猫 6歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 食欲がもどらない。肝酵素の値が下がらない 】とのことで、セカンドオピニオン診療のために来院されました。

 

 

 

◆◆ 飼い主様からお話を伺ってみると、昨年末くらいから元気・食欲がなくなり、体重も減ってきたことから近くの動物病院で診察してもらったところ、肝酵素が高く、黄疸も見られたことから、肝疾患の可能性ありと言われ入院。

 

 

 

■ 麻酔下で肝臓の組織をとり、病理学的に検査した結果、『 リンパ球性胆管肝炎 』と診断されたとのことでした。

 

 

 

■ そこでステロイド剤による治療が始まりましたが、しばらくしても症状はあまり改善せず、肝酵素の値も下がらないことから、ホームページをみて当院で一度診てもらうことにした、とのことでした。

 

 

 

 

◆◆ 『 リンパ球性胆管肝炎 』の多くは慢性経過になります。

 

1) 発症年齢:1~16歳で、臨床症状としては元気消失、食欲不振、嘔吐、下痢、肝臓腫大 、腹水(29%)、黄疸 などです。

 

2) 血液検査所見では高グロブリン血症(50%)、末梢血リンパ球数増加(>14000/μl)、肝酵素の上昇などがみられます。

 

 

 

◆◆ 治療としては、通常ステロイド剤を中心とした免疫療法が行われますが、今回、あまりステロイド剤は使いたくないとのことで、治療方針としては、飼い主様の希望もあり当院で行っている副作用の心配がない『 再生療法 』と『 ドイツ自然医学療法 』を治療に用いるとともに、ステロイド剤の減量 → 中止を行うことにしました。

 

 

■ さて、治療を始めて2週間後、黄疸は消えたものの血液中の胆汁の値は高く、食欲も完全には戻っていない状態でした。 ただ、肝酵素、特にALT(GPT)はまだ高いものの半分以下になっていましたので、ステロイドの量はさらに減らすことにしました。

 

 

■ さらに2週間の治療後、血液検査を行ったところ、胆汁の値は正常になり、またこれまでなかなか下がらなかったALTがさらに半減していました。 食欲はほぼ元にもどり、元気も出てきたことから、ステロイドは中止することにしました。

 

 

■ 肝酵素はまだ正常値ではありませんが、飼主様によると、前より元気・食欲が出てきたことと、何より、ステロイド剤を飲まなくても良くなったことで、副作用の心配がなくなりましたと、嬉しそうにお話ししてくれました。

 

 

■ まだこの治療は続きますが、ネコさんがますます元気になるよう、これからも飼い主様と一緒に頑張っていければ思います。

 

 

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

獣医師 泉 政明

 

 

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