【こんな症例も治りますシリーズ 736】『 セカンドオピニオン診療: 犬の膀胱がん疑い 』も適切な診断と治療で治します

 

↑ 上のイラストは、メスのワンちゃんの膀胱移行上皮がんが発生しやすい箇所を示したものです。

■ 右下のイラストで、黄土色の部分が『膀胱の移行上皮癌』発生が多い箇所です。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/peFpJ

 

 

犬 コーギー 12歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 かかりつけ医で膀胱炎の治療を受けていたところ、検診で膀胱内にしこりがあることが判明したため 】、当院へセカンドオピニオンで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 来院時には元気、食欲の低下、排尿については潜血反応があり、少量を頻回に排泄している状態でした。

 

 

 

■ 腹部エコー検査では、膀胱背側に乳頭状のしこりと膀胱壁の肥厚が確認されました。

 

 

 

 

■ 尿沈査で細胞診もしましたが、細胞はあまり見られませんでした。

 

 

 

 

■ 尿道カテーテルを用いて細胞を吸引採取し病理組織検査(セルパック法)を実施しましたが、悪性度の診断には至りませんでした。

 

 

 

 

 

★★★ 膀胱の腫瘍では移行上皮癌の発生率が極めて高いので、確定診断をつけずに非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を飲ませて様子を見ていくこともありますが、飼主様は確定診断を希望されました。

 

 

 

■■ 開腹し膀胱の腫瘤および肥厚部を切り取って病理組織検査を行ったところ、悪性度の強い移行上皮がんと診断されました。

 

 

 

 

■ あとでお話をお聞きしたのですが、先代のワンちゃんも腹腔内腫瘍で確定診断できないまま入院中にお亡くなりになり心残りがあったそうです。

 

 

 

 

■ 病気としっかり向き合うためにも、何の病気なのか知りたかったそうです。

 

 

 

 

■ 残念ながら悪性の腫瘍でしたが、確定診断できて良かったとおっしゃってくださいました。

 

 

 

 

■■ 治療については抗がん剤も提案させてもらいましたが、家族会議の結果抗がん剤はせずにNSAIDsの投薬、免疫力アップのサプリメント、抗腫瘍効果のあるサプリメント、オゾン注腸療法などを希望されました。

 

 

 

 

■ 現在は、頻尿はあるものの、元気、食欲は改善されてイキイキと過ごされております。

 

 

 

 

■ 今後は局所再発による排尿困難、遠隔転移などに注意して、少しでも長く楽しい日々を過ごしていただけるようサポートしていきたいです。

 

 

 

 

獣医師 新井澄枝

 

 

 

 

 

 

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