【こんな症例も治りますシリーズ 713】『 指の赤みと痒みが治らない 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、犬の指間の赤みです。

■ 指の赤みと外耳炎があると、アトピー性皮膚炎が多いです。

■ 今回は、外耳炎は無く食事性アレルギーによる皮膚炎でした。

 

 

 

 

参照サイト:

https://00m.in/cMUfn

 

犬 6歳 ミックス犬 オス(去勢手術済み)

 

 

【 足をよく舐めるようになった 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

 

★★ まずは足の状態を確認させて頂くと、前足、後ろ足の全ての指に赤みと色素沈着が確認できました。

 

 

 

 

■ また、このワンちゃんは被毛が白い子でしたが、涙やけもひどく、口の周りの被毛も茶色く変色してしまっていました。

 

 

 

 

■ お話をお伺いすると、目の周り、口の周りに関しても痒みがあるとのことでした。

 

 

 

 

■ 目、口の周り、足先の痒みはアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎の好発部位です。

 

 

 

■ それ以外の皮膚疾患の可能性も考慮しつつ、この2つの疾患を一番に疑い、各種検査を行いました。

 

 

 

★ 皮膚炎の起こっている部位はテープ検査、染色検査を行いましたが、寄生虫の発生、ひどい細菌感染はありませんでした。

 

 

 

★ 涙やけに関してはアレルギー性以外にも、逆さまつげなどの物理的刺激が原因となることもあります。

 

 

 

★ また、目の周りが痒くて掻いているうちに眼球の表面の角膜を傷つけてしまっていることもあります。そのため、眼科検査も行いましたが眼球には傷もなく、まつ毛の異常もありませんでした。

 

 

 

★ 左右とも眼瞼炎が起こっており、まぶたが赤く、腫れてしまっていました。

 

 

 

■■ アレルギー性皮膚炎の疑いがあったため、血液によるアレルギー検査も行ったところ、牛肉のアレルギーがあるとの結果が返ってきました。

 

 

 

 

◆◆ 以上より、アレルギー性皮膚炎と診断し、治療を行うこととなりました。

 

 

 

■ まずはご飯をアレルギー食へ変更しました。

 

 

■ アレルギー性皮膚炎用の療法食は大きく分けて以下の2種類あります。

 

 

1)アレルゲンとなるタンパク質を反応しづらくなる程度まで分解している加水分解フード

 

2)アレルギーの原因物質が入っていない除去食

 

 

■ 加水分解フードは、アレルギーの原因がわかっていない段階では全てのタンパク質が加水分解されているため、ある程度アレルギー症状の改善が期待できます。

 

 

 

■ しかし、アレルギー原因物質が完全になくなっている訳ではないので、加水分解フードを食べていても症状が出てしまう可能性は残ります。

 

 

 

■ 一方除去食はアレルギーの原因物質が取り除かれているため、どのタンパク質が原因となっているかが分かっている子には最適です。

 

 

 

◆◆ 今回のワンちゃんは飼い主様の愛情たっぷりの手作り食を食べている子でしたが、お話をお伺いすると牛肉を食べ始めてから痒みが出てきた気がするとのことでした。

 

 

 

■ 飼主様も痒みが出てしまっている状況をなんとかしてあげたい! とのお気持ちが強く、今までの手作り食をやめて、療法食へ切り替えることとなりました。

 

 

 

■ しばらく療法食を続けていると徐々に痒みも落ち着き、涙やけや口のまわりの被毛の変色も改善していきました。

 

 

 

※ アレルギーのある子はおやつやトッピングなど療法食以外のものはオススメしません。

 

 

 

 

 

■ 「食べられるものが限られてしまうのはかわいそう」という気がしますが、痒みの症状が出てしまうことはそれ以上にワンちゃんにとっては辛いものです。

 

 

 

 

■ アレルギー性皮膚炎の子が食べられる療法食のおやつや、ご飯も各フードメーカーさんのさまざまな種類のものをご紹介できます。

 

 

 

 

◆◆ ご飯についてお悩みを抱えている場合、お気軽にご相談ください!

 

 

 

 

獣医師 木島里衣

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