【こんな症例も治りますシリーズ 710】『 セカンドオピニオン診療 : 犬の腹水が治らない 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、心臓内に腫瘍が出来ているエコー図です。

■ 心臓の右側に腫瘍(MASS)が出来て、心嚢膜の中まで液体が溜まっている状態です。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/tZotD

 

 

犬 14歳 ミックス犬 メス(避妊手術済み)

 

 

【 1ヶ月前から腹水貯留があり、かかりつけ医からはステロイド剤で効果がなければなす術がないでしょうと言われ 】当院へ来られました。

 

 

 

 

◆◆ 飼主様は治らなくても何かしてあげられることがないか、というお気持ちでした。

 

 

■ 8年前に保護犬団体さんから迎え入れ、ずっと同じかかりつけ医さんで診てもらってきたそうで、もともと下痢しやすい体質のため昨年に腸の組織生検をしたところリンパ管拡張症と診断されたそうでした。

 

 

 

■ このため腹水が貯留してしまったと説明を受けてきたそうです。

 

 

 

■ 腹水の検査では漏出液であることがわかりました。

 

 

 

※ 漏出液は、血管やリンパ管から液体が滲み出てしまっている状態を指します。

 

 

 

 

■■ リンパ管拡張症以外の原因はないか精査するため血液検査、胸部、腹部レントゲン検査、胸部、腹部エコー検査をしたところ、心臓内腔に腫瘤が見つかりまた心内膜に心嚢水の貯留も見られました。

 

 

 

■ 腫瘤により右心不全が生じて腹水が貯留してしまった可能性も出てきました。 またレントゲンでは胸水の貯留も確認できました。

 

 

 

■ 心臓の収縮を強くするお薬と利尿剤を処方したところ、腹水はどんどん減っていき呼吸も少し楽になってきました。

 

 

 

 

■ 今は経過観察の段階ですが、動物さんの苦しさを少しでも緩和し、飼主様の心配も軽減できるようサポートしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

獣医師 新井澄枝

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