【こんな症例も治りますシリーズ 706】『 セカンドオピニオン診療 : 犬の角膜びらんが治らない 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、犬の眼の検査をしている姿です。

■ フルオレセイン染色テストは、眼の表面の角膜を検査する時の検査です。

 

犬 8歳 ミックス犬 オス(去勢手術済み)

 

 

 

【 他院で治療するが、角膜びらんが治らない 】、という主訴で来院されました。

 

 

 

 

◆◆ フルオレセイン染色テストという、角膜に傷があると染まるテストを行ってみると、中央部がしっかりと染まります。

 

 

 

■ 他院での点眼治療を行ったが、治らず、羞明(まぶしい状態)しているとの事でした。

 

 

 

◆◆ 角膜びらんが難治化している場合、その原因を考える事が必要です。

 

 

 

 

■ 例えば涙液量の問題、瞬膜の裏に異物がないか、結膜には問題がないか、角膜浮腫を起こしていないか、全身状態はどうか、などを考える必要があります。

 

 

 

 

◆◆ 問診を詳しくしてみると、季節的な痒みがあるとの事でした。

 

 

 

 

■ 眼瞼をめくってみてみると、結膜が浮腫しています。

 

 

 

 

■ 人間の眼科では、睫毛(まつげ)を分岐部として、前部眼瞼縁炎、後部眼瞼縁炎と分けられます。

 

 

 

 

★ 後部眼瞼縁炎は、マイボーム腺機能不全と同義語で扱われ、マイボーム腺が分泌不全になっている事が多いです。

 

 

 

 

 

◆◆ この子は前部、後部も腫脹しており、眼瞼縁炎が起こっていました。

 

 

 

 

■ 眼瞼結膜の腫脹により、角膜との接触が起こり、角膜びらんが難治化していると推察されました。

 

 

 

■ 犬の眼瞼縁炎は、眼瞼炎の一般的な原因としては、アレルギー性結膜炎(52%)、続いて感染症/寄生虫症(21.5%)、自己免疫疾患(17.7%)、腫瘍(4.9%)となります。

 

 

 

 

■ 皮膚炎も起こっており、アレルギー性皮膚炎治療を同時に行うこととしました。

 

 

 

 

■ 抗生剤、アレルギー治療薬、食事管理、眼の保湿を行うと、なんと二週間で角膜びらんが良化しました!

 

 

 

 

■ 体全体の痒みもなくなり、飼主様もワンちゃんもとてもお喜びになっていました。

 

 

 

 

■ 今後も注意して経過をみていきたいです。

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

 

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