【こんな症例も治りますシリーズ 703】『 繰り返す猫の便秘症 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫の便秘症の姿です。

■ この姿勢をしている時は、便秘症か排尿困難、膀胱炎などが考えられます。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/caarK

 

 

猫 3歳 ミックス猫 オス(去勢手術済み)

 

 

【 便秘、嘔吐、食欲不振 】とのことで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 飼い主様からお話を伺ってみると、4日前より、トイレに行くけどウンチが出ないのを繰り返してましたが、今朝は食欲もなく、昼には吐いたので心配になって連れてきた、とのことでした。

 

 

 

 

■ 便秘とは、腸内に便が溜まってスッキリと排出できなくなっている状態です。

 

 

 

 

★ 猫の場合、

 

 

① 丸2日以上排便がない

② 1日に何度も排便をする、便の切れが悪い

③ 力んでいるのに便が出ない

④ 便が硬くてコロコロしている、などの症状が見られます。

 

 

 

■ 原因としては、

 

① 水分不足(猫はもともと水をあまり飲まない)

② ストレス

③ 腸に毛玉が詰まる

④ 腸の機能低下(加齢によって腸の機能が低下)

⑤ 腸や肛門の異常、病気(腫瘍、ポリープ肛門周辺の炎症、脱肛)

⑤ 骨や神経の異常(骨折、脊髄疾患、椎間板疾患による神経性の排便障害)

⑥ 内服薬(利尿剤、モルヒネ) などがあります。

 

 

 

 

■ 治療法としては原因によって異なりますが、内科的には整腸剤やサプリメントの処方、脱水があれば改善のための点滴、また場合によっては浣腸を行う。

 

 

 

※ さらには肛門から指を入れてウンチを出す「摘便」をするなどが考えられます。

■ さて、このネコちゃんの場合、身体検査、血液検査の結果、軽い脱水以外特に異常は認められませんでした。

 

 

 

◆ また、レントゲン検査では直腸に便が滞留している状態が見られました。

 

 

 

 

◆◆ そこで今回の場合は、便の停滞が軽度だったこと、またネコちゃんが興奮しやすい性格だったため、特に腹部マッサージや浣腸などは行わず、点滴、吐き気止めの処置の他、排便促進剤の座薬を処方することにしました。

 

 

 

◆ また、このネコちゃん、レントゲン検査で腰椎が6個しかない(通常は7個)ことから、体質的に便秘になりやすいことがわかりましたので、神経質な性格でもあることから、積極的に水分を取れるように食事内容を工夫する、猫好みのトイレ環境に整える、ブラッシングをこまめに行うなどの猫の便秘を予防・解消するために自宅でできる方法を紹介しました。

 

 

 

■ さて、このネコちゃんについては、後日、連絡があり、坐薬を入れた後、無事、ウンチがでたとのことでした。

 

 

 

 

◆ 自宅での工夫が功を奏し、これからは便秘が解消されると良いですね。

 

 

 

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 泉 政明

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