【こんな症例も治りますシリーズ 621】 『 犬の誤嚥性肺炎 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は犬の胸部のレントゲンです。
★ (1)が治療前で、(2)が治療後です。

◆ 各写真の上の方は頭側で、(1)(2)共に向かって左側が犬の右側になります。

◆ 中央に見える大きな白い部分は、心臓です。

■ (1)の写真では、心臓の左側(犬の右側)には、右側中葉(黄色矢印)がありますが、そこが白くなっています。

■ (2)の写真では、白かった右側中葉が治って、『全体的に黒い肺』が見れます。

 

参照サイト:

https://00m.in/778AA

 

犬 ミニチュアダックス 14歳 オス 去勢手術済み

 

 

【 昨日から咳をする 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ レントゲンを撮影してみると、肺野(肺の領域)が白く写っています。

 

 

■ 通常、肺は空気を含んでおり、その部分はレントゲンでは透過性が高く、黒く写ります。

 

 

■ 白く写る部分は、何らかの原因で空気が含まれていない箇所です。

 

 

 

■ 肺がレントゲンで白く写るとき、一般的には肺炎、肺水腫、肺腫瘍が考えられます。

 

 

 

■ 心臓の陰影や、白い部分の箇所、そのパターンである程度はレントゲンで診断が付けられます。

 

 

 

 

■■ このレントゲンでは、『 右肺中葉の透過性減退(白く写る状態) 』が目立ちます。

 

 

■ 肺炎像です。

 

 

■ また、誤嚥性肺炎が起こりやすい場所としても知られています。

 

 

■ 誤嚥性肺炎は、食事内容物の誤嚥だけでなく、例えば歯の菌が経気道性に感染を起こす場合もあります。

 

 

 

 

■ 肺炎の原因は、他には、真菌性肺炎、寄生虫性肺炎、細菌性肺炎(誤嚥性肺炎含む)、アレルギー性肺炎に分類されます。

 

 

 

 

 

■■ 診断は、気管支肺胞洗浄液の採取が必要です。

 

 

★ これは気管にチューブを挿管し、そこから細胞を採取する方法ですが、全身麻酔が必要なため、リスクが高くなります。

 

 

★ 一般的には酸素療法、抗生剤療法から治療反応を見ていきます。

 

 

 

◆◆ この子は入院中一旦悪化が見られましたが、1週間ほどで酸素ケージから出ることができました!

 

 

■ 今後も注意して経過を観察していきたいと思います。

 

 

獣医師 増田正樹

 

湘北どうぶつ次世代医療センター

046-274-7662

 

photo.fahtakahashi@gmail.com

 

 

 

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