【こんな症例も治りますシリーズ 541】 ワンちゃんの『 認知症 』も 適切な診断と治療で治します

犬の認知機能障害
◆ 2022年に発表された学術論文(NATURE誌)では、犬は1歳増すごとに70%の認知症のリスクが増加するそうです。
◆ 『活発な子の方が、認知症のリスクが少ない』とも発表されていました。
■ 元気なうちから、予防サプリメントを内服する。 光線療法で、神経や氣の流れを良くする。
■ 神経の病気・眼の病気の悪化、寝たきりにさせない。 これらも、認知症の予防策です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3T2NvmP

 

犬 トイプードル 12歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 最近、よく行く公園の入り口がわからなくなる 】ということで来院されました。

 

 

◆◆ 飼い主様からお話を伺ってみると、『 次のようなことが気になる 』、とおっしゃっていました。

 

 

■ 『 最近、散歩でいつも寄っていた公園の入り口が分からずにウロウロしたり、不安そうに私の顔を見上げて立ち止まってしまう事が多い。 』

 

 

■ また、『 ここの動物病院や先生のことを忘れちゃったみたいで、前とは違って、診察台に乗ってもこんな風に落ち着かず、怯えて直ぐ私に抱き着いてくるんです 』とのことでした。

 

 

■■ ワンちゃんの認知症は、認知力が低下することによる行動の変化で、ワンちゃんでは12歳を過ぎるころから発生率が高くなると言われています。

 

 

■ 脳の病理学的な変化や、神経伝達物質の減少のため、脳神経や自律神経がうまく機能しなくなり、徐々に多くの行動変化がみられるようになりますが、発症の原因など詳しいことは良く分かっておりません。

 

 

■ また、認知症は、進行性の病気のため、放置しておくとどんどん悪化していきます。

 

 

 

 

 

◆◆ この病気の診断には、問題行動の把握とその他の似た病気( 甲状腺機能低下症、その他の代謝性の疾患、脳腫瘍、脳炎、水頭症、腎臓病、各種の整形外科疾患、高血圧関連等 )の除外診断が必要となります。

 

 

■ そのため、診断のための検査では、身体検査、神経検査( 視覚、聴覚を含む )、血液検査、尿検査、X線検査等の各種検査の他、CT、MRI検査を実施する場合があり、これらの検査は脳腫瘍との鑑別に有効です。

 

 

◆ 治療法として、根本的な治療法は確立されていませんが、最近、食事療法やサプリメントにより、予防したり病気の改善や進行を遅らせたりすることが可能となりました。

 

 

 

■■ さて、このワンちゃんの場合、いわゆる認知症の5症候( ① 見当識障害、② 社会性や周囲環境とのかかわりの変化、③ 睡眠と覚醒の周期の変化、④ 不適切な排泄、⑤ 活動量や内容の変化 )の中で、鑑別診断をすることから開始しました。

 

 

■ 見当識障害( 散歩途中に道がわからなくなる、知り合いや飼い主などへの態度か変わる等 ) に症状が当たること。

 

 

 

■ また、神経検査で視覚に問題は見られなかったことより( 視覚の低下により、慣れているはずの場所を嫌がったり、家族を認識しづらくなることがあります )、認知症と診断しました。

 

 

■■ 飼い主様の希望もあり、特に見当障害に効果があるサプリメントを試してみることにしました。

 

 

 

 

■ 2週間後、『 先生、散歩の途中で寄る公園にも迷うことなく中に入れる様になりました。 また、見ての通り、診察台にもこんな風に安心して乗るようになったでしょう 』と嬉しそうにお話下さいました。

 

 

 

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

獣医師 泉 政明

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