【お困りではありませんか? アドバイスしますシリーズ 16】 『 ハムスターの皮膚炎について 』 を紹介します

上の写真は、ハムスターの腹部皮膚炎です。
■ 背中の皮膚や被毛は綺麗なようですね。
■ しかし、腹部の皮膚は、とても湿った赤色をしています。
■ よく動物病院で拝見する症状です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3oGIjHC

 

■■■ 『 ハムスター飼育で 質問が多い シリーズ 』

 

 

■ 「先生、うちの子、この1週間、昼も夜もずっと掻いて、ハゲてきたわ。かわいそうなので治したい。」

「先生、皮膚炎を起こしているようで、毛が抜けて肌の状態も良くありません。どうすれば良いですか?」

飼い主様から、最近、よくいただくお話です。

 

 

 

■ ハムスターは飼育スぺ―スがさほど必要なく、マンションでも飼育可能ということもあり、大人に限らず小さなお子様でも飼いやすいペットとして人気があります。

 

■ ハムスターの寿命は2~3年と短いですが、短いからこそ1日1日が貴重であり、少しでも長生きできるよう病気には特に気をつけてあげたいですよね。

 

■ さて、ハムスターが動物病院を訪ねる第一位の理由は、

「皮膚炎(全体の約25%)」

ということご存じでしたか?

 

 

■ ハムスターは通常、皮下に脂肪と水分を十分に保持しているため、もちもちと柔らかいさわり心地をしています。

 

■ しかし、何らかの原因で肌に炎症が起き、皮膚炎になってしまうと、抜け毛や湿疹、肌に赤みをおびる、痒がるなどの症状が見られるようになります。

 

■ 飼い主様が皮膚の病気に気づくと、このような症状が現れてからが多いと思います。

 

■ 皮膚炎の原因となるのは主に5つあります。

 

① ヒゼンダニやニキビダニなどの寄生虫、
② 食べ物や床材のアレルギー
③ 細菌や真菌(環境の汚れも含みます)
④ ストレス
⑤ ビタミンの欠乏などの栄養不足です。

 

 

■ 皮膚炎を起こす原因の多くは、飼育環境の衛生面が関係していると言われています。

 

 

■ 定期的に掃除をすれば特に問題はないのですが、掃除を怠ることでケージ内の湿度も高くなり、細菌や真菌、ニキビダニなどに感染しやすくなります。

 

 

■ また、ハムスターの巣材として使用されている材料でもアレルギーをおこしてしまい、皮膚炎になるというケースもあります。

 

■ 特に巣材にウッドチップ(針葉樹)を使用されている場合は、そのウッドチップがアレルギーの原因となっているかもしれません。

 

■ 他には、バランスの良い食事を与えていない(ペレットが主食じゃない。ビタミン不足)、もしくは高齢のため栄養の吸収状態が悪くなり、免疫力が低下してしまって皮膚炎が起きる事もあります。

 

■ このように、ハムスターは皮膚炎にかかりやすい生き物と思うかもしれませんが、本来、野生のハムスターは清潔な環境に住んでいて、自分で体を頻繁に掃除する清潔な動物なのです。

 

■ 発症させないためにも、飼育方法や飼育環境を改善しケージ清潔にしましょう。

 

 

■ また、ヒトの細菌や部屋のホコリから発症することがあるので、 飼育前の手洗いは必須です。

 

 

 

■ 他の動物や、多頭飼い中のハムスターからダニや細菌を持ちこむ可能性があります。

 

 

 

■ ハムスターの他に動物を飼っている方は、飼育した後に必ず手を洗ってから触れるようにしましょう。

 

 

■ 何かありましたらお気軽にご相談ください。

 

 

 

獣医師 泉 政明

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