【愛玩動物看護師だより】 愛玩動物看護師が教える、おうちでできる健康チェック

 

 

毎日のちょっとした観察が、大切なご家族の健康を守ります。

 

 

こんにちは。愛玩動物看護師の大森です。

 

 

動物さんは、体の不調を言葉で伝えることができません。そのため、病気のサインがあっても、飼い主様が気づいたときには症状が進行していることもあります。

 

 

そこで大切なのが、普段から動物さんの様子を常に観察し、いつもと違う変化に気づいてあげることです。

 

 

今回は、愛玩動物看護師の視点から、動物さんの病気の早期発見・予防に繋がる、ご自宅でできる健康チェックのポイントをご紹介いたします!

 

 

 

1.おうちで確認したい7つのポイント

 

 

① 目・耳・お口

 

 

おうちでのチェックポイント

 

・ 目やにや涙の量が増えていないか

 

・ 目をしょぼしょぼさせたり、白目が赤く充血していないか

 

・ 耳の汚れやにおいが強くなっていないか

 

・ 外耳道内が赤くなったり、腫れていないか

 

・ 口臭が強くなったり、歯ぐきが赤くなったりしていないか

 

・ 歯石はついていないか

 

 

 

関連する疾患の例

 

角膜潰瘍・結膜炎  :   目の充血や涙、目をしょぼしょぼさせる様子が見られることがあります。

 

外耳炎・歯周病  :   耳のかゆみやにおい、口臭、歯ぐきの腫れなどがサインになることがあります。

 

目や口、耳の変化は、痛みや不快感につながることもあり、食事に影響を及ぼす可能性があります。

 

早めの受診が大切です。

 

 

 

 

② 皮膚・被毛

 

おうちでのチェックポイント

 

・ 赤みやかゆみ、脱毛がないか

 

・ ノミ、まだにはついていないか

 

・ しこりやできものがないか

 

・ 毛並みや皮膚の状態に変化がないか

 

 

関連する疾患の例

 

アレルギー性皮膚炎 :  かゆみや赤み、皮膚を繰り返しなめる行動などが見られることがあります。

 

甲状腺機能低下症(犬) :  脱毛や被毛の変化、体重増加などが見られることがあります。

 

皮膚のトラブルは、皮膚そのものの病気だけでなく、ホルモンの異常などが関係している場合もあります。 繰り返す皮膚症状や、なかなか改善しない脱毛にも注意しましょう。

 

 

③ 食欲・飲水量

 

おうちでのチェックポイント

 

・ 食べる量が減っていないか

 

・ いつもより水を飲む量が増えたり、減ったりしていないか

 

・ 食べたそうなのに食べられない様子がないか

 

 

 

関連する疾患の例

 

慢性腎臓病 :  特に猫では、飲水量や尿量の増加が初期の変化として見られることがあります。

 

糖尿病 :  水を飲む量や尿量が増える、体重が減るなどの変化が見られることがあります。

 

食欲や飲水量の変化は、内臓の病気などに気づくきっかけになります。 水を飲む量が増えた場合は、飲水量を記録しておくと診察時の参考になります。

 

 

④ おしっこ・うんち

 

おうちでのチェックポイント

 

・ 排泄の回数や量に変化がないか

 

・ 色や臭い、便の硬さがいつもと違わないか

 

・ 排泄時に痛がったり、何度もトイレに行ったりしていないか

 

 

 

関連する疾患の例

 

 

膀胱炎・尿石症 :  頻繁にトイレに行く、血尿が出る、排尿時に痛がるなどの変化が見られることがあります。

 

胃腸炎 :  下痢や軟便、嘔吐、食欲低下などが見られることがあります。

 

排泄物は、体の状態を知るための大切な情報です。尿や便の状態がいつもと違う場合は、写真を撮っておくと診察時に役立ちます。

 

特に、何度も排尿姿勢をとるのに尿が出ない場合は緊急性があります。すぐに動物病院へご連絡ください。

 

 

 

⑤ 体重・体型

 

 

おうちでのチェックポイント

 

・ 急に体重が減ったり、増えたりしていないか

 

・ 肋骨に触れやすいか、腰のくびれがあるか

 

・ お腹まわりに脂肪がつきすぎていないか

 

 

見た目では気づきにくい体重の変化も、定期的に測定することで把握しやすくなります。

 

また、BCS(ボディコンディションスコア)という、脂肪のつき具合や体型から肥満度を評価する指標もあります。

 

BCSは、肋骨の触れやすさや腰のくびれなどを確認することで、飼い主様もご自宅でチェックできます。体重だけでは分かりにくい体型の変化を知るためにも、ぜひ日頃から確認してみましょう!

 

 

 

関連する疾患の例

 

肥満 :  体脂肪が過剰に蓄積した状態で、関節への負担や糖尿病などのリスクにも関係します。

 

甲状腺機能亢進症(猫) :  以前よりよく食べるのに体重が減る、といった変化が見られることがあります。

 

適正な体型は、年齢や体格などによっても異なります。BCSの評価に迷ったときは、動物病院で確認するのがおすすめです。

 

 

 

⑥ 歩き方・動き方

 

 

おうちでのチェックポイント

 

・ 立ち上がるときに時間がかかっていないか

 

・ 階段や段差を避けるようになっていないか

 

・ 散歩や遊びを嫌がるようになっていないか

 

・ 抱っこや、体に触れられることを嫌がらないか

 

 

関連する疾患の例

 

変形性関節症・関節炎 :  関節の痛みから、動き出しを嫌がる、ジャンプをしなくなるなどの変化が見られることがあります。

 

膝蓋骨脱臼(パテラ) :  膝のお皿が正常な位置からずれる病気で、後ろ足を一時的に上げて歩くなどの症状が見られることがあります。

 

 

年齢による変化と思っていても、関節や筋肉などに不調が隠れている場合があります。動き方の変化を動画で記録しておくことも、診察の参考になります。

 

 

 

⑦ 呼吸・元気

 

 

おうちでのチェックポイント

 

・ 呼吸がいつもより速くないか、苦しそうではないか

 

・ 寝ている時間や活動量が大きく変わっていないか

 

・ いつも楽しみにしていることへの反応が変わっていないか

 

・ 咳や、疲れやすい様子がないか

 

 

 

関連する疾患の例

 

 

僧帽弁閉鎖不全症(犬) :  心臓の弁がうまく閉じなくなる病気で、咳や疲れやすさ、呼吸数の増加などが見られることがあります。

 

肥大型心筋症(猫) :  心臓の筋肉が厚くなり、心臓の働きや血液の流れに影響する病気です。 進行すると呼吸が速くなる、呼吸困難などの症状が現れることがあります。 また、血栓ができることで、突然後ろ足が動かなくなるなどの症状が起こる場合もあります。

 

気管虚脱(犬) :  気管がつぶれるように変形し、ガーガーという特徴的な咳や呼吸の異常が見られることがあります。

 

 

「なんとなく元気がない」という小さな違和感も、大切なサインです。

 

特に猫ちゃんは、心臓病があっても症状が分かりにくいことがあります。安静時の呼吸の様子など、普段との違いに気づくことが大切です。

 

呼吸が苦しそうな場合は、すぐに動物病院へご連絡ください。

 

 

 

2.健康を守るための3つのポイント

 

 

①「いつもの状態」を知っておく

 

 

普段の食欲、飲水量、排泄、体重、行動などを把握しておくことで、変化に気づきやすくなります。

 

 

 

 

② 変化があったら記録する

 

 

気になる症状があれば、いつから始まったのか、どのくらいの頻度で起こるのかを記録しましょう。 写真や動画も、診察時に役立つ大切な情報になります。

 

 

 

③ 症状がなくても定期的に健康診断を受ける

 

病気によっては、初期には目立った症状が現れないこともあります。 日頃の観察に加えて、定期的な健康診断で体の状態を確認することが大切です。

 

 

こんなときは早急に動物病院へ

 

・ 呼吸が苦しそう、口を開けて呼吸している

 

・ 意識の状態がおかしい、突然倒れた

 

・ 何度も排尿姿勢をとるのに尿が出ない

 

・ どこか痛がってる、急激に状態が悪化している

 

・ 突然、体の一部が麻痺してる

 

・ 痙攣を頻回起こしてる、時間が長く続いてる

 

 

このような症状が見られた場合は、様子を見続けず、すぐに動物病院へご連絡ください。

 

 

また、食欲や飲水量、排泄などに変化が続く場合も、早めにご相談ください。

 

 

 

🐾 動物看護師から飼い主様へ

 

 

毎日の健康チェックは、難しいことをする必要はありません。

 

一緒に過ごす時間の中で、「今日はいつもと違うかな?」と少し意識して観察することが、病気の早期発見につながります。

 

今回ご紹介した疾患は、あくまで変化の背景として考えられる病気の一例です。 同じ症状でも原因はさまざまで、ご自宅でのチェックだけで病気を判断することはできません。

 

私たち愛玩動物看護師も、診察や処置、日々のお手入れを通して、動物さんの小さな変化を見つけ、健康を守るお手伝いをしています。

 

大切なご家族が元気に過ごせるように、今日からできる健康チェックを始めてみませんか?

気になることや、ご自宅でのケアについて分からないことがあれば、いつでもご相談ください。

 

 

愛玩動物看護師 大森

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