【こんな症例も治りますシリーズ】『血便の原因は“まさかの針”…早期対応で無事回復』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上の写真は、実際の大腸内視鏡検査画像と針の異物です。

■ 左が、大腸内視鏡検査の画像です。 奥に異物が見えます。

■ 右が、取り出した針です。

 

 

犬 シーズー 7歳 オス(未去勢手術)

 

 

【 主訴は血便 】 とのことで来院されました。

 

 

◆◆ 来院時の様子

 

■ 飼い主様からは、

 

・ 朝から元気がない

 

・ 血便をしている

 

・ お尻から 糸のようなものが出ていた

 

・ 心配になって、その糸を引っ張ってしまった

 

とのお話がありました。

 

 

■ さらに詳しくお話を伺うと、この子は 誤食癖があり、よく変なものを食べてしまう とのことでした。

 

 

■ この時点で、
消化管内異物の可能性 を強く疑いました。

 

 

 

 

◆◆ 検査で分かったこと

 

 

・ レントゲン検査

 

 

・ 腹部超音波検査

 

 

を実施したところ、

直腸内に針のような構造物 を確認しました。

 

 

■ そして、針が穿孔しているような所見はありませんでした。

 

 

■ さらに、
直腸検査で 慎重に指を挿入して触診 すると、明らかに硬い針状の異物を触知 することができました。

 

 

 

 

◆◆ 状態の評価

 

■ 直腸検査の触診の結果、

 

・ 針先が 直腸粘膜に刺さっている状態

 

・ 無理に引き抜くと

 

 

▶  出血

 

▶  腸管損傷

 

▶  穿孔

 

のリスクが高いと判断しました。

 

 

 

■ そのため、内視鏡による摘出 を選択しました。

 

 

 

 

◆◆ 内視鏡摘出

 

■ 内視鏡で直腸内を確認すると、

 

・ 針先が粘膜に刺入

 

・ 周囲に出血と炎症を認める状態

 

でしたが、慎重に把持し、無事に内視鏡下で針を摘出することができました。

 

 

■ 開腹手術を行うことなく、
体への負担を最小限に抑えられたのは大きなポイントでした。

 

 

 

 

◆◆ 摘出後の様子

 

 

■ 針を摘出すると、

 

・ 表情が明るくなり

 

・ すぐに元気を取り戻し

 

・ 尻尾を振るように

 

 

■ その姿を見て、飼い主様と一緒にホッとし、喜びを分かち合いました。

 

 

 

 

◆◆ まとめ

 

 

■ 今回の症例では、

 

・ 血便の原因が 直腸内の鋭利な異物(針)

 

・ 誤食癖のある子では、思いもよらない物が体内に入っていることがある

 

・ 内視鏡を用いることで開腹せずに安全に摘出できた

 

という点がとても重要でした。

 

 

■ 血便や元気消失がある場合、単なる腸炎だけでなく消化管内異物が隠れていることもあります。

 

 

■ 特に誤食癖のある子では、早めの検査が命を守ることにつながります。

 

 

■ 「おかしいな」と思ったら、早めにご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

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