【こんな症例も治りますシリーズ 811】『 高齢犬の眼瞼腫瘤、良性と思われた病変が悪性だった症例 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、この子の眼瞼腫瘍の手術前後です。

■ 左が手術前で、右目の上まぶたの腫瘤が分かります。

■ 右が手術後で、腫瘤が完全に切除されています。

■ 病理組織検査でも、手術後に『完全切除を証明されました』。

 

 

犬 柴犬 15歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 右眼の流涙と眼脂(なみだ と 目ヤニ)が多い 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

◆◆ 診察を行うと、右上眼瞼に腫瘤(しこり)を認めました。 腫瘤自体は以前から存在していたとのことですが、ここ最近になって流涙や眼脂が目立つようになり、徐々に症状が悪化してきたため、切除を希望されました。

 

 

■ 高齢であることに加え、血液検査では腎機能の低下も認められたため、全身状態を十分に評価した上で、麻酔リスクについて飼い主様と相談しました。

 

 

■ 麻酔管理には細心の注意を払い、負担を最小限に抑える計画で外科手術を実施しました。

 

 

 

 

 

◆◆ 手術では、眼球への『 刺激や縫合糸の接触 』が起こらないよう注意しながら、腫瘤を切除しました。
術後の覚醒も良好で、大きな合併症なく回復してくれました。

 

 

■ 切除した腫瘤は病理組織検査へ提出しました。

 

 

その結果は『 扁平上皮癌 』。

 

 

 

■ 以前から存在していたことや、進行が比較的緩やかであったことから、良性腫瘍の可能性も考えていましたが、結果的には悪性腫瘍でした。

 

 

 

 

◆◆ 幸いにも、腫瘤は完全切除できており、現時点では追加治療は必要ありません。

 

 

■ 術後は、これまで見られていた眼脂や流涙も消失し、眼の状態は非常に良好です。

 

 

■ 犬の眼瞼腫瘤は、一般的には良性であることが多いとされています。 しかし、高齢動物では悪性腫瘍が隠れているケースもあり、『 以前からあるから大丈夫 』とは言い切れません。

 

 

■ 症状が少しでも変化してきた場合や、眼の不快感が出てきた場合には、早めの検査や治療が重要です。

 

 

 

◆◆ 今後は、再発や転移がないかを注意深く経過観察していく予定です。

 

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

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