【こんな症例も治りますシリーズ 793】『 高齢犬の 口のクチビルの腫瘍 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の図は、犬メラノーマ(黒色腫)の犬種別好発率のグラフです。

■ 247例の犬の口腔メラノーマを対象とした研究における犬種の分布です。

■ プードル13%、ラブラドルレトリバー11%、ゴールデンリトリバー9.5%、ロットワイラー9.5%、ヨークシャーテリア7%

■ この5犬種が多い(全部で約50%)ので、よく観察してあげて下さい。

 

参照サイト:

https://00m.in/HneSi

 

 

犬 ミニチュアダックス 16歳 オス(未去勢手術)

 

 

【 3カ月前に気付いた右口唇の腫瘤が大きくなってきた 】とのことで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 腫瘤は3.6 cm × 2.4 cm で、黒色の見た目をしていました。

 

 

 

■ 腫瘤に針を刺して細胞診検査をしたところ、メラニン顆粒を含む異形成のある細胞が確認されたところから『 口腔内メラノーマ 』と診断しました。

 

 

 

 

■ 犬の口腔内メラノーマは、歯肉や舌、口唇などから発生する非常に悪性度が高い腫瘍で、転移や浸潤を高頻度に起こします。

 

 

 

 

■ レントゲン検査から肺への転移は診られなかったのですが、リンパ節の細胞診からメラノーマ細胞のリンパ節転移がみられ、腫瘍の大きさと合わせてステージの進行したものであることがわかりました。

 

 

 

 

 

◆◆ 飼い主様とも相談し、高齢であることと進行したステージのものであることから、今回はオゾン療法による緩和療法を選択することとなりました。

 

 

■ 緩和療法とは、簡単に言いますと、『 元凶となっている部分を排除する原因療法ではなく、痛みを無くしたり生活の質を向上させる療法 』であり、QOLが上昇する療法だとご理解ください。

 

 

 

 

 

◆◆ 週に2回のオゾン療法を3カ月間続けているのですが、食欲もあり、痛みもなく元気に過ごしているとのことです。

 

 

■ 今回は、ステージの進行してしまった悪性の腫瘍だったのですが、当院独自の治療であるオゾン療法で良好なQOLを維持することができました。

 

 

 

■ 当院では様々な治療の選択肢がありますので、他院で対応が難しい症例などもご相談下さい。

 

 

 

 

獣医師 長谷川英哲

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