【こんな症例も治りますシリーズ 778】『 よく鳴くようになった15歳の猫 ⇒ 甲状腺機能亢進症か? 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストは、猫ちゃんの甲状腺機能亢進症を示しています。

■ 猫ちゃんのノドを拡大したイラストが右手にあります。

■ 太い管状の部分は『気管』で、黄色い部分が『甲状腺』で、その向かって右側が『肥大化した甲状腺』です。 ここから多くの甲状腺ホルモンが出てしまいます。

 

参照サイト:

https://00m.in/hwUJE

 

猫 ミックス猫 15歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 最近食欲はあるのに痩せてきた】 【よく鳴くようになった】とのことで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 診察では体重減少、心拍数の増加、軽度の高血圧が確認されました。

 

 

■ 血液検査を行ったところ、甲状腺ホルモン(T4)の上昇が認められ、甲状腺機能亢進症 と診断しました。

 

 

■ 甲状腺機能亢進症は、猫では高齢になるとよく見られる病気のひとつです。 甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、

 

 

•  食欲があるのに痩せる

•  落ち着きがなくなる

•  嘔吐や下痢

•  心拍数の増加や高血圧

 

 

 

 

といった症状が現れます。 進行すると心臓や腎臓や肝臓にも影響を及ぼすため、早期発見と治療が大切です。

 

 

 

 

 

◆◆ 今回の治療は、飼い主様と相談の上、まずは内服薬による治療を開始しました。

 

 

■ 投薬開始から数週間後には食欲や体重が安定し、鳴き声も落ち着いてきました。 血液検査でも甲状腺ホルモン値は正常範囲にコントロールされ、良好な経過をたどっています。

 

 

 

 

 

◆◆ 甲状腺機能亢進症は継続的な治療と定期的な血液検査が必要な病気です。 治療法としては、

 

 

•  内服薬でのコントロール

•  手術による甲状腺の摘出

•  放射性ヨウ素治療

 

などがあり、それぞれの猫の状態や飼い主様のご希望に合わせて選択します。

 

 

 

 

■ 今回の猫ちゃんは早期に異変に気づき受診していただいたことで、安定した治療経過をたどることができました。

 

 

 

『 高齢になって食欲はあるのに痩せてきた 』『 よく鳴くようになった 』などの変化があれば、甲状腺機能亢進症の可能性も考えられます。

 

 

 

◆◆ 今月、9月は甲状腺ホルモンの血液検査の推進運動中です。

 

 

 

 

■ この機会に是非、症状がなくとも一度検査を受けてみることをおすすめいたします。

 

 

 

 

 

 

獣医師 木島里衣

 

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